民法 ・ 2003-04-08
ATM無権限払戻し事件|暗証番号の一致と銀行の無過失
無権限者が預金通帳と暗証番号を使ってATMから払戻しを受けました。ATM払戻しにも478条が適用されますが、銀行の無過失は番号の一致だけでなく、払戻しシステム全体の設置管理について注意を尽くしたかで判断します。
最高裁判所第三小法廷
科目別の判例
意思表示、代理、物権、債権、家族関係について、当事者と第三者の利益をどう調整するかを学びます。
最初は事案と結論を押さえ、次に裁判所が重視した事実を読みます。関連判例を比べるときは、適用された条文と手続の違いも確認しましょう。
35件の判例
民法 ・ 2003-04-08
無権限者が預金通帳と暗証番号を使ってATMから払戻しを受けました。ATM払戻しにも478条が適用されますが、銀行の無過失は番号の一致だけでなく、払戻しシステム全体の設置管理について注意を尽くしたかで判断します。
最高裁判所第三小法廷
民法 ・ 2000-02-29
輸血を受けない強い意思を持つ患者に、病院は他に救命手段がなければ輸血する方針を説明せずに手術をし、輸血を行いました。本件では、輸血方針を説明せず、手術を受けるかどうかの意思決定の機会を奪った医師に、不法行為による損害賠償責任が認められました。
最高裁判所第三小法廷
民法 ・ 1975-10-24
髄膜炎の治療で腰椎穿刺等を受けた幼児が、施術後に発作を起こし障害が残りました。訴訟上の因果関係の立証は自然科学的な完全な証明を求めるものではなく、証拠を総合して高度の蓋然性を示すことで足りるとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1997-02-14
同一所有者の土地と建物に共同抵当権が設定された後、旧建物が取り壊され新建物が建築されました。土地建物の共同抵当後に建物を取り壊し再築した場合、新建物に同順位の共同抵当を設定した等の特段の事情がなければ、新建物の法定地上権は成立しません。
最高裁判所第三小法廷
民法 ・ 1972-06-02
社団の財産である不動産が代表者個人の名義で登記され、その代表者が交替しました。権利能力なき社団の不動産は代表者個人名義で登記することになり、交替後の新代表者は旧代表者に自己名義への移転登記を求められるとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1974-12-12
詐害行為の目的となった権利が複数の者へ移転し、途中に善意の取得者がいる一方、後の転得者が悪意であった場合の追及が問題となりました。旧民法424条の下で、途中の転得者が善意なら、その後の悪意の転得者も追及を免れるか。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1974-09-26
詐欺により農地を買い受けた者が、農地法上の許可を条件とする所有権移転仮登記を得た後、売買契約上の権利を善意の譲受人へ譲渡し、仮登記移転の附記登記をした場面です。農地の所有権移転仮登記に関する契約上の権利を譲り受けた者も、本件では96条3項の第三者に当たるとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 2015-12-16
女性だけに6か月の再婚禁止期間を定めていた旧民法733条について、再婚を妨げられた女性が国家賠償を求めました。2015年判決は、当時の規定のうち100日を超える部分を違憲とする一方、本件の立法不作為について国家賠償法上の違法は認めませんでした。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 1967-11-01
不法行為によって被害を受けた人が死亡し、相続人が慰謝料請求権を承継したとして賠償を求めました。不法行為で発生した被害者本人の慰謝料請求権は、生前に請求意思を表明しなくても相続の対象になるとされました。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 1958-08-28
昭和33年8月28日判決を、時効完成と第三者取得の先後から読みます。一部破棄差戻しの手続上の理由も区別します。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1965-11-30
会社で手形関係の事務をしていた係員が、担当を外れた後に会社名義の手形を偽造しました。職務権限がない偽造でも、民法715条の事業の執行についての行為に当たるか。
最高裁判所第三小法廷
民法 ・ 1960-02-11
動産の取引で、譲受人が所有権を取得したと主張しましたが、物は従前の占有者の手元に残り、占有改定によって引渡しがされたにとどまりました。外観上の占有状態が変わらない占有改定だけでは、民法192条による即時取得は成立しないとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 2003-09-12
大学が講演会参加者の学籍番号、氏名、住所、電話番号を集め、参加者に無断で警察へ開示しました。講演会の参加申込情報もプライバシーとして保護され、本件の無断開示は不法行為を構成するとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1975-03-06
土地の売主が死亡し、共同相続人の一部が登記手続を拒んだため、買主は同時履行の抗弁で代金全額の支払を拒みました。売買代金を受け取るため買主の登記請求権を代位行使する本件では、買主が無資力でなくても代位が認められるとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1967-04-20
代理人が、本人のためではなく自己又は第三者の利益を図って、代理権の範囲内の取引をしました。旧法下では、相手方が濫用の意図を知り又は知り得た場合に旧93条ただし書を類推し、本人に効果を帰属させないとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 2014-07-17
婚姻中に懐胎した子について、DNA鑑定により夫との生物学的な父子関係がないことが明らかとなりました。2014年判決では、DNA鑑定で生物学的父子関係がないと分かっても、嫡出推定が及ぶ本件の父子関係を不存在確認の訴えで争うことはできないとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1999-11-24
抵当不動産の不法占有により競売が進まない場合に、所有者の妨害排除請求権を代位行使できるとした判決です。所有者の使用権と、抵当権者の担保価値の保護を分けます。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 2000-03-24
広告会社の労働者が長時間残業を続け、うつ病にり患して自死しました。本件では使用者の715条上の責任が肯定され、通常想定される個性の範囲内の性格等を、心因的要因として賠償額の減額に用いることはできないとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1954-11-26
昭和29年11月26日判決を、既存居住者の同居承諾と売主の説明から読みます。旧95条の無効と現行法の取消しを分けます。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1965-06-18
宅地の賃借人が、同居の家族にその土地上へ建物を建築させ、敷地を転貸しました。本件のような同居家族への転貸の具体的事情の下では、賃貸人との信頼関係を破壊するに足りない特段の事情があるとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1969-12-18
夫婦の一方が他方に関係する財産の取引をした事案で、日常の家事に関する代理権を基礎として取引相手を保護できるかが争われました。夫婦には日常家事の相互代理権がありますが、その範囲外の行為に一般的な表見代理を認めず、日常家事に属すると信じる正当な理由がある場合に110条の趣旨を類推します。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1968-08-02
昭和43年8月2日判決の山林取引を読み、先行売買を知ることと、登記の欠缺を主張する正当な利益を分けます。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 2013-09-04
非嫡出子相続分違憲決定について、事案・争点・判断・射程を整理します。判決の結論を丸暗記せず、どの事実が判断を分けるかを具体例と確認問題から学べます。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 2006-02-23
所有者が登記済証等を預け、実印を用いた申請書の内容を確認しないままにした結果、受託者が自分への不実の登記を行い、さらに第三者へ売却しました。外観の作出・放置と同視できるほど所有者に重い帰責性がある本件では、94条2項と110条の類推適用により善意無過失の買主が保護されました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1970-07-24
所有者が、所有権を移す意思なく他人名義の登記を作り、その外観を前提に第三者が権利を取得しました。所有者が作出した不実登記について94条2項を類推し、悪意の取引者を経た転得者でも、善意であれば保護され得るとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 2015-12-16
婚姻に際して夫又は妻の氏を選ぶ民法750条について、改姓による不利益等を理由に国家賠償が求められました。2015年大法廷判決の多数意見は、民法750条を憲法13条、14条1項、24条に違反しないとしました。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 1973-02-02
建物賃貸借が終了した後、まだ建物が明け渡されていない段階の敷金返還請求権が問題となりました。敷金は明渡しまでに生じる賃貸借上の債権を担保し、明渡し完了時に未払債務等を控除した残額について具体的な返還請求権が生じるとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1962-04-20
本人名義の行為を無権限で行った者が死亡し、本人がその者を相続しました。本人が無権代理人を相続しても、その無権代理行為は相続によって当然に有効となるわけではありません。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1965-06-18
代理権がないのに本人名義で法律行為をした者が、その後に本人を相続しました。無権代理人が本人を相続して両資格が同一人に帰した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の法的地位が生じるとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1993-01-21
無権代理行為をした者が、他の相続人とともに本人を相続しました。共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理人の相続分に相当する部分についても行為が当然に有効となるわけではありません。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1966-01-27
賃貸人が無断転貸を理由に解除し、賃借人側が背信行為と認めるに足りない特段の事情があると主張しました。無断転貸を背信行為と認めるに足りない特段の事情は、賃借人が主張・立証すべきものとされました。
最高裁判所第一小法廷
民法 ・ 1953-09-25
賃借人が賃貸人の承諾を得ず第三者に賃借物を使用・収益させ、賃貸人が民法612条に基づく解除を主張しました。無断転貸でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があれば、612条2項による解除はできないとされました。
最高裁判所第二小法廷
民法 ・ 1987-09-02
婚姻破綻について責任のある配偶者が離婚を求めました。有責配偶者の請求でも、相当長期の別居、未成熟子がいないことなどの事情の下では、著しく社会正義に反する特段の事情がない限り、その一事だけで排斥できないとされました。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 2016-12-19
被相続人の預貯金を共同相続人間でどう扱うかが遺産分割手続で争われました。共同相続された普通預金・通常貯金・定期貯金債権は、相続開始で当然に分割されず、遺産分割の対象となるとされました。
最高裁判所大法廷
民法 ・ 1975-02-25
自衛隊員が公務中の事故によって死亡し、遺族が国に損害賠償を求めました。国は国家公務員との関係で、その生命・健康を危険から守る安全配慮義務を負い、その違反に基づく賠償が問題になるとされました。
最高裁判所第三小法廷