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判例解説

不実登記と善意の転得者|悪意者を経ても保護されるか

所有者が、所有権を移す意思なく他人名義の登記を作り、その外観を前提に第三者が権利を取得しました。所有者が作出した不実登記について94条2項を類推し、悪意の取引者を経た転得者でも、善意であれば保護され得るとされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
1970年7月24日
出典
民集 第24巻7号1116頁
事件番号・裁判種別
昭和40(オ)204・判決

何が起きたか

所有者が、所有権を移す意思なく他人名義の登記を作り、その外観を前提に第三者が権利を取得しました。直接の取引相手が悪意でも、その後の善意の取得者を保護するかが問題です。

  • 所有者が自ら他人名義の登記を作ったこと
  • 転得者自身の善意

何が問題になったか

直接の取引相手が悪意でも、その後の善意の取得者を保護するかが問題です。

裁判所の判断と理由

所有者が作出した不実登記について94条2項を類推し、悪意の取引者を経た転得者でも、善意であれば保護され得るとされました。

不実の外観を作った本人と、その外観を信じて独立の法律上の利害関係を持った者を区別します。中間の取引者が悪意であることだけで、その後の取得者の保護を一律に排除しません。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

本人の関与がない偽造登記一般へ広げることはできません。第三者性、善意、外観作出への帰責性を確認します。94条2項と110条を組み合わせる類型とも区別します。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

転得者自身が登記の虚偽を知っていた場合も、中間者を経たことを理由に保護されますか。

善意の要件を欠きます。誰の認識が問題かを取引段階ごとに分けて確認します。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「所有者が自ら他人名義の登記を作ったこと」です。次に「転得者自身の善意」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

不実登記と善意の転得者について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

不実登記と善意の転得者で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:転得者自身が登記の虚偽を知っていた場合も、中間者を経たことを理由に保護されますか。

次に学ぶこと