何が起きたか
大学が講演会参加者の学籍番号、氏名、住所、電話番号を集め、参加者に無断で警察へ開示しました。秘密性の高くない個人情報にも法的保護が及ぶかが争われました。
- 申込みのために大学へ提供した情報
- 承諾を求め難い特別の事情がない無断開示
何が問題になったか
秘密性の高くない個人情報にも法的保護が及ぶかが争われました。
裁判所の判断と理由
講演会の参加申込情報もプライバシーとして保護され、本件の無断開示は不法行為を構成するとされました。
本人が知られたくない情報は、思想や病歴などに限られません。大学への申込みのために提供した情報が、別の相手へ無断提供されないという期待も問題です。承諾を求めるのが困難な特別の事情も認められませんでした。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
警察への情報提供がすべて違法という判断ではありません。収集目的、本人の承諾、法的根拠、特別の事情等を確認します。現行個人情報保護法上の規律は別に調べます。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
参加者に開示先と目的を示して事前に適切な承諾を得ていた場合、本件と同じですか。
無断開示という事情が変わります。承諾の範囲や目的との対応、現行法の要件等を改めて検討します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「申込みのために大学へ提供した情報」です。次に「承諾を求め難い特別の事情がない無断開示」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。