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Case Brief

詐欺取消しと第三者|仮登記上の権利譲受人の保護

民法96条3項の第三者は、所有権等の物権を完全に取得し対抗要件を備えた者だけに限られるか。仮登記上の権利を譲り受けた者を扱った判例から、第三者の範囲を考えます。

更新日: 2026年10月22日

裁判所

最高裁判所第一小法廷

判決日

1974-09-26

引用

民集28巻6号1213頁

判旨・学習上の位置づけ

事案:詐欺により農地を買い受けた者が、農地法上の許可を条件とする所有権移転仮登記を得た後、売買契約上の権利を善意の譲受人へ譲渡し、仮登記移転の附記登記をした場面です。 争点:この譲受人が、詐欺取消しから保護される民法96条3項の第三者に当たるかが問題となりました。完全な物権取得と対抗要件の具備に限定するかという問いです。 判断:最高裁は、判示の譲受人を第三者に当たるとしました。第三者保護の趣旨に照らして範囲を合理的に画するのであり、所有権等の物権の転得者で対抗要件を備えた者だけに限定する理由はないと考えています。

射程

この判例は、96条3項の保護される第三者の範囲を扱います。第三者が詐欺をした場合に取消しを認める96条2項の要件とは別問題です。二つの「第三者」を混同しないことが学習の要点です。 判決当時と現行法の要件も区別します。現在の96条3項は善意に加えて無過失を要求するため、古い判例の「善意」という表現だけを現行事例の判断基準にしません。答案では、独立の法律上の利害関係の取得と、現行法の信頼保護要件を分けて検討します。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月22日

順番に学ぶ

論点・条文・判例を、つまずきやすい箇所を確かめながら読み進めます。