このガイドでできるようになること
- 意思能力を欠く無効と、制限行為能力や錯誤による取消しを区別する。
- 本人・代理人・相手方の関係から、実際の代理権、表見代理、無権代理を選び分ける。
- 第三者の保護要件を条文ごとに確認し、答案に要件と事実を対応させる。
STEP 1 / 7
法律行為の効力と能力を区別する
先に無効と取消しの違いを確認します。意思能力は行為時点の判断能力、行為能力は単独で確定的に有効な行為をする能力です。年齢や病名から一足飛びに結論を出さず、どの条文によりどの効果が生じるかを説明できるようにします。意思表示がいつ効力を生じるかは、到達と受領能力を分けて確認します。
確認:未成年者の行為はすべて初めから無効になる?開いて考え方を確かめる
なりません。同意の要否と例外を確認し、原則として取消しの問題を検討します。意思能力を欠く法律行為の無効とは根拠が異なります。
STEP 2 / 7
真意と異なる表示を整理する
心裡留保は一方が真意との不一致を知る場合、虚偽表示は相手方と通じて外形を作る場合です。93条と94条を並べて、当事者間の効力と第三者への対抗を二段階で確認します。
- 1.論点心裡留保とは|民法93条の原則・例外と第三者保護
- 2.条文民法93条|心裡留保の原則と第三者保護
- 3.論点虚偽表示とは|民法94条の通謀と善意の第三者
- 4.条文民法94条|通謀虚偽表示と善意の第三者
確認:Aだけが冗談のつもりだった場合、直ちに94条の通謀虚偽表示となる?開いて考え方を確かめる
通謀がなければ直ちに94条とはなりません。まず93条の心裡留保を検討し、相手方の認識を確認します。
STEP 3 / 7
錯誤と詐欺・強迫の取消しを読む
現行法の錯誤は取消しの制度です。基礎事情の表示や重過失の例外を確認してから、他人の欺罔・強迫による取消しと比べます。判例の第三者と、詐欺をした第三者は、96条の項が異なります。
- 1.論点錯誤とは|民法95条の要件・取消しと旧法との違い
- 2.条文民法95条とは?錯誤取消しの条文構造
- 3.論点詐欺・強迫による取消し|第三者保護まで整理
- 4.判例詐欺取消しと第三者|仮登記上の権利譲受人の保護
確認:96条2項の第三者と3項の第三者は同じ役割の人?開いて考え方を確かめる
違います。2項は詐欺を行った者、3項は取消しにより影響を受ける取引関係上の第三者を問題にします。
STEP 4 / 7
代理権と顕名を確認する
代理の基本は、権限内の行為が直接本人に帰属することです。本人の利益になる行為かと、本人を契約当事者にする表示かを分けます。本人・代理人・相手方を置き、どの関係に契約の効果が生じるかを説明してください。
確認:本人のためにする旨を示せば、権限がなくても99条の有権代理になる?開いて考え方を確かめる
なりません。代理権の存在と権限内の行為も必要です。欠ける場合は追認や表見代理を別に検討します。
STEP 6 / 7
代理権の濫用と利益相反を比べる
107条は権限内の行為でも目的と相手方の認識を問題にします。108条は自己契約・双方代理等の構造を捉えます。どちらも効果を単に無効とまとめず、無権代理とみなすことと本人の追認を関連付けます。
- 1.論点代理権の濫用とは|民法107条と相手方の認識
- 2.条文民法107条|代理権濫用を無権代理とみなす要件
- 3.論点自己契約・双方代理とは|民法108条と利益相反
- 4.条文民法108条|自己契約・双方代理・利益相反
確認:107条と108条は、どちらも現実の損害が出たことだけで成立する?開いて考え方を確かめる
成立しません。107条では目的と相手方の認識、108条では取引構造や事前許諾等、それぞれの要件を確認します。
STEP 7 / 7
第三者という言葉を使い分ける
最後に、無効・取消しから取引相手を保護する規定と、不動産登記の対抗関係を比較します。94条の善意、95条・96条の善意無過失、177条の背信的悪意者という違いを確認します。同じ「第三者」でも、制度の目的が異なります。
確認:先行売買を知っていた者は、177条の第三者から必ず排除される?開いて考え方を確かめる
単なる悪意だけでは足りません。背信的悪意者と評価できる具体的な取引経緯を検討します。94条等の善意者保護の要件を移し替えないようにします。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月22日