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心裡留保とは|民法93条の原則・例外と第三者保護

本心と違うと分かって意思表示をしたときも、原則として表示どおりの効力が生じます。相手方が真意でないことを知り、又は知ることができた場合の無効と、善意の第三者の保護を分けて考えます。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

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30秒でわかる結論

本心と違うと分かって意思表示をしたときも、原則として表示どおりの効力が生じます。相手方が真意でないことを知り、又は知ることができた場合の無効と、善意の第三者の保護を分けて考えます。

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到達目標

  • ✓表示と真意の食い違いを、表意者が認識していたかを確認する。
  • ✓無効となる場合に、93条2項で保護される善意の第三者がいるかを検討する。
  • ✓具体例について、要件に対応する事実を挙げて結論を説明する。

ひっかけポイント

  • !相手方と通じて外形だけを作る虚偽表示とは区別します。93条2項の第三者保護には条文上「善意」が求められ、95条4項・96条3項の善意無過失と同一に扱いません。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

本心と違うと分かって意思表示をしたときも、原則として表示どおりの効力が生じます。相手方が真意でないことを知り、又は知ることができた場合の無効と、善意の第三者の保護を分けて考えます。

制度の基本と判断の出発点

心裡留保は、表意者が自分の真意と表示が食い違うことを認識している意思表示です。表示を信じる相手方を保護するため、民法93条1項本文は原則として効力を認めます。後から「冗談だった」と述べるだけで拘束を免れる制度ではありません。

相手方が真意でないことを知っていた場合だけでなく、知ることができた場合も、同項ただし書によって無効です。表意者側の内心と、相手方側の認識・注意の両方を事実から認定します。

事例で確認する順番

  1. 表示と真意の食い違いを、表意者が認識していたかを確認する。
  2. 相手方が真意でないことを知り、又は知ることができたかを判断する。
  3. 無効となる場合に、93条2項で保護される善意の第三者がいるかを検討する。

具体例で考える

Aが本気で売る意思がないままBに売却を申し込み、Bが通常の取引として承諾したとします。Bが真意でないと知る事情も、気付ける事情もなければ、Aの内心だけを理由に契約の効力を否定できません。反対に、場の状況や発言からBも冗談と理解していたなら、ただし書の検討が必要です。

例外・区別しておくこと

相手方と通じて外形だけを作る虚偽表示とは区別します。93条2項の第三者保護には条文上「善意」が求められ、95条4項・96条3項の善意無過失と同一に扱いません。

確認問題

解答・解説:できません。Cが93条2項の第三者に当たれば、Aは同項により無効を対抗できません。まずA・B間の効力を判断し、その後にA・C間の対抗関係を判断します。

根拠条文・参考資料

よくある質問

Aの心裡留保がBの悪意により無効となるとき、Bから独立の法律上の利害関係を取得した善意のCにも、Aは常に無効を主張できますか。

できません。Cが93条2項の第三者に当たれば、Aは同項により無効を対抗できません。まずA・B間の効力を判断し、その後にA・C間の対抗関係を判断します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

本人が本気ではないと分かって表示しても、原則として表示どおりの効力が生じる。相手方が真意でないことを知り、又は知ることができた場合は無効となる。

  1. 表示した本人が、表示と自分の真意の違いを認識している。
  2. 相手方がその違いを知っていたか、注意すれば知り得たかを確認する。
  3. 第三者が現れたら、当事者間の無効と第三者への主張を分ける。
効果
相手方が善意・無過失なら、表意者は「冗談だった」という内心だけで効力を否定できない。
例外・注意点
当事者間で無効になる場合でも、善意の第三者には無効を主張できない。93条2項は第三者の無過失まで要求していない。
虚偽表示との比較
心裡留保では相手方との通謀は不要。虚偽表示では、当事者双方が外観だけを作る合意をしている。

事例で考える

Aは売るつもりのない時計についてBに売却を申し込み、BもAの冗談だと分かったまま承諾した。その後Bは事情を知らないCに時計を譲渡した。

AはBに対する無効を理由に、Cの取得まで否定できるか。

答えと理由を見る

Cが93条2項の第三者に当たるなら、Cにはその無効を対抗できない。

Bは真意でないことを知っているのでA・B間は無効となる。一方、Cはその無効を知らずに独立した法律上の利害関係を取得しており、第三者保護を別に検討する。

自分の言葉で説明する

相手方には無過失が必要なのに、第三者にはなぜ同じ条件を書かないのか。

説明例を見る

相手方の規律は93条1項ただし書、第三者保護は同条2項による。条文が置く要件が異なるため、「第三者も善意無過失」とまとめない。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
AがCに心裡留保による無効を主張できるか。
判断の基準
93条1項ただし書の無効は善意の第三者には対抗できない(2項)。
事実へのあてはめ
Bは冗談と知っていたが、Cはその事情を知らずに時計を取得した。
結論
Cが同項の第三者に当たれば、Aは当事者間の無効を対抗できない。

覚えておきたい問い

本気でない表示を相手方が知らなかった場合、何を追加して確認するか。

答えを確かめる

相手方が真意でないことを知ることができたか。知らなくても知り得たなら93条1項ただし書で無効となる。

保存した内容を見る

心裡留保の無効から保護される第三者に、無過失は必要か。

答えを確かめる

93条2項の文言は善意を要求し、無過失は要求していない。第三者に当たるかも別に確認する。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

表示の存在、Aの認識、Bの悪意又は知り得た事情を順に記載します。第三者が現れた事例では、当事者間で無効という結論から直ちに第三者に対する結論を導かず、93条2項を独立して当てはめます。

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