このガイドでできるようになること
- 処分性・原告適格・訴えの利益・出訴期間を区別する。
- 処分の前後、申請の有無、緊急性から救済手段を選ぶ。
- 判例の対象法令と具体的な事実を確認し、結論の射程を説明する。
STEP 1 / 8
取消訴訟の入口をつかむ
最初に取消訴訟の対象となる処分を特定します。行政庁の行為なら何でも対象になるわけではありません。次に原告が名宛人か第三者かを分け、法律上の利益を確認します。公定力は違法な処分が適法になるという意味ではありません。
- 1.論点処分性とは|取消訴訟の対象になる行政の行為
- 2.条文行政事件訴訟法3条とは?抗告訴訟と取消訴訟
- 3.用語公定力とは|無効・取消し・国家賠償との違い
- 4.論点原告適格とは|行訴法9条の法律上の利益と判断手順
- 5.条文行政事件訴訟法9条とは?原告適格の条文構造
- 6.用語法律上の利益とは|行政訴訟の原告適格との関係
確認:処分性があれば、その行為に関心のある人は全員提訴できる?開いて考え方を確かめる
できるとは限りません。原告適格等の別の訴訟要件を確認します。
STEP 2 / 8
周辺住民の原告適格を具体例で学ぶ
小田急線と新潟空港の判例を読み、法令の保護する利益と原告の被害を結び付けます。周辺住民という属性だけで一律に答えず、事業の種類、関係法令、被害の程度を確認します。
確認:生活環境への影響があれば、被害の程度や法令を確認しなくてよい?開いて考え方を確かめる
確認が必要です。個別的に保護される利益と、原告がその範囲に入る事情を示します。
STEP 3 / 8
争う実益と期間を確認する
期間満了等の後も、取消判決によって回復する法律上の利益が残るかを考えます。建築確認判例で、処分の法的効果から考える方法を確認してください。提訴期限は、知った日からの6か月と処分からの1年をそれぞれ確認します。
- 1.論点狭義の訴えの利益とは|取消判決による回復可能性
- 2.判例建築工事完了後の建築確認取消訴訟|訴えの利益
- 3.論点取消訴訟の出訴期間|知った日から6か月・処分の日から1年
- 4.条文行政事件訴訟法14条|取消訴訟の出訴期間
確認:処分から1年以内なら、知った日から6か月を超えても必ず間に合う?開いて考え方を確かめる
間に合うとは限りません。二つの期間制限と、正当な理由の例外を別に確認します。
STEP 4 / 8
判決を待てない場合を考える
処分の効力を止めたい場合は執行停止を検討します。処分を仮にさせたい場合や将来の処分を仮に止めたい場合は37条の5を確認します。停止すれば希望する状態が生まれるかを考えると、制度を選びやすくなります。
確認:拒否処分の効力を止めれば、そのまま許可が出たことになる?開いて考え方を確かめる
通常そのようにはなりません。希望する処分を求める義務付けと、その仮の救済を検討します。
STEP 5 / 8
処分を求める二つの義務付けを分ける
法令に基づく申請がある場面と、規制権限の発動等を求める場面を分けます。申請型では不作為か拒否処分かに応じた併合提起、非申請型では重大な損害・補充性等を確認します。
- 1.論点申請型義務付け訴訟とは|拒否処分・不作為と併合提起
- 2.条文行政事件訴訟法37条の3|申請型義務付けと併合訴訟
- 3.論点非申請型義務付け訴訟とは|重大な損害・補充性・原告適格
- 4.条文行政事件訴訟法37条の2|非申請型義務付けの要件
確認:申請型にも、非申請型の重大な損害要件をそのまま足す?開いて考え方を確かめる
そのまま足しません。37条の2と37条の3を別々に読み、各類型の訴訟要件と本案要件を確認します。
STEP 6 / 8
将来の処分を止める差止めを学ぶ
処分前に止めたい場面では、何の処分が具体的に予定されているかを特定します。重大な損害、他の適当な方法、原告の法律上の利益を確かめ、その後で本案の違法性を検討します。
確認:既に出た処分を止める場合も、その同じ処分の差止訴訟が基本?開いて考え方を確かめる
既にされた処分は、原則として取消訴訟と執行停止を検討します。差止めは将来の一定の処分を対象にします。
STEP 7 / 8
本案で行政判断をどう審査するか
訴訟の入口を満たしても、それだけで処分が違法になるわけではありません。裁量の有無と逸脱・濫用を区別し、伊方原発判例で審査基準・判断過程・資料の提示の関係を確認します。
確認:専門的な裁量があれば、裁判所は判断過程を審査しない?開いて考え方を確かめる
審査します。判断の性質に応じて、基準や過程に不合理な点がないかを検討します。
STEP 8 / 8
審査請求・無効確認・賠償を使い分ける
審査請求は行政内部の救済で、期間や審理の仕組みが取消訴訟と異なります。もんじゅ訴訟では、別の民事訴訟がある場合の無効確認の補充性を学びます。国家賠償は、処分の効力を取り除くことと損害を埋めることの違いを押さえます。
確認:国家賠償を求める前には、必ず処分を取り消しておく必要がある?開いて考え方を確かめる
常に必要ではありません。取消しによる効力除去と、賠償による損害の填補を分けて検討します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月22日