法令上の申請を前提とせず、行政庁に処分をするよう求める訴訟です。重大な損害のおそれ、他に適当な方法がないこと、法律上の利益を有することを別々に検討します。
制度の基本と判断の出発点
非申請型義務付け訴訟は、行政庁が一定の処分をすべきなのに処分をしない場面で、その処分を求めるものです。例えば危険な施設に対する規制権限の行使を求める場面では、誰に、どの根拠法令の、どの処分を求めるのかを具体化します。
行政事件訴訟法37条の2は、処分がされないことで重大な損害が生ずるおそれがあることと、その損害を避けるため他に適当な方法がないことを要求します。さらに原告は、その処分を求める法律上の利益を有する者でなければなりません。
事例で確認する順番
- 求める行政処分を特定し、法令に基づく申請型の場面ではないことを確認する。
- 処分がされないことによる重大な損害と、他の適当な回避方法の有無を検討する。
- 原告の法律上の利益を確認し、処分をすべきことが明らか等の本案要件を分けて判断する。
具体例で考える
危険な設備に隣接する住民Aが、監督行政庁に使用停止命令をするよう求めるとします。単に設備が不快だと述べるのではなく、生命・身体への危険、被害の性質・程度、別の方法で回避できるか、根拠法が住民の個別的利益を保護するかを検討します。
例外・区別しておくこと
重大な損害の判断は「回復の困難の程度」を考慮し、損害の性質・程度や処分の内容・性質を勘案します。仮の義務付けの「償うことのできない損害」と同じ表現に置き換えないことが大切です。
確認問題
解答・解説:当然には提起できません。法律上の利益と補充性は別要件です。原告適格を認めた後も、他に適当な方法がないかを検討する必要があります。
根拠条文・参考資料
よくある質問
原告適格があれば、他に適当な損害回避方法があっても当然に非申請型義務付けを提起できますか。
当然には提起できません。法律上の利益と補充性は別要件です。原告適格を認めた後も、他に適当な方法がないかを検討する必要があります。