Case Brief
伊方原発訴訟|専門技術的判断と裁量審査
原子炉設置許可の安全審査に関する行政庁の判断を、裁判所はどう審査するか。専門技術的判断の合理性と、資料の偏在を踏まえた主張・立証を扱った判例です。
更新日: 2026年10月22日
裁判所
最高裁判所第一小法廷
判決日
1992-10-29
引用
民集46巻7号1174頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:原子炉設置許可処分の取消しが求められ、安全性に関する行政庁の判断の適否が争われました。安全審査には専門技術的な調査審議が介在していました。 争点:裁判所が審査基準や判断過程をどのように審理し、どちらがどの資料を示すべきかが問題になりました。裁量があることを理由に司法審査をなくすかという問いではありません。 判断:最高裁は、現在の科学技術水準に照らし、具体的審査基準の不合理や判断過程の看過し難い過誤・欠落等を通じて行政判断の不合理を審査するとしました。判断資料を持つ行政側は、まず相当の根拠・資料に基づいて主張・立証する必要があるとしています。
射程
主張・立証については、原告が本来負うことと、資料を持つ行政側がまず示す必要があることを区別します。「常に全面的に証明責任が転換する」と要約するのは不正確です。 また、この審査枠組みは原子炉安全審査という制度と判断の専門性に即しています。すべての裁量事件に同じ文言を当てはめず、懲戒や政策判断等では根拠法と処分の性質を別に検討します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月22日
順番に学ぶ
論点・条文・判例を、つまずきやすい箇所を確かめながら読み進めます。