取消訴訟は原則として、処分又は裁決があったことを知った日から6か月、処分又は裁決の日から1年の期間制限を受けます。二つの起算点、正当な理由、審査請求を経た場合の特則を確認します。
制度の基本と判断の出発点
行政事件訴訟法14条1項・2項は、主観的な認識を起算点とする6か月と、処分等の時点を起算点とする1年をそれぞれ定めます。「知った日」は原則として処分の存在を現実に知った日であり、違法性に気付いた日まで起算が遅れるわけではありません。
いずれの期間にも正当な理由による例外があります。裁判所が認めるべき事情があるかを、通知、教示、手続を取れなかった事情等から検討します。単に忙しかった、後から法律を調べたという説明だけで当然に例外になるものではありません。
事例で確認する順番
- 処分日と、原告が処分の存在を知った日を分けて確定する。
- 6か月・1年の双方と、各ただし書の正当な理由を確認する。
- 適法な審査請求等を経た場合は14条3項の適用条件と裁決を基準とする起算を検討する。
具体例で考える
Aが4月に処分通知を受けた後、12月に初めて違法性を指摘されたとします。違法だと知った12月から当然に6か月が始まるのではありません。処分の存在を知った時点を基礎にし、正当な理由の有無を別に検討します。
例外・区別しておくこと
審査請求をすれば、どのような申立てでも無条件に出訴期間が再開始するわけではありません。14条3項の要件を確認します。また、期間の計算では初日や満了日、休日等の一般的な期間計算規定にも注意します。
確認問題
解答・解説:できません。主観的期間と客観的期間は別々の制限です。1年以内というだけで、6か月の制限や正当な理由の検討が不要になるわけではありません。
根拠条文・参考資料
よくある質問
処分の日から1年以内なら、処分を知った日から6か月を超えても常に取消訴訟を提起できますか。
できません。主観的期間と客観的期間は別々の制限です。1年以内というだけで、6か月の制限や正当な理由の検討が不要になるわけではありません。