取消訴訟で争える対象かを判断するのが処分性です。行政庁の行為というだけでは足りず、法令の仕組みと直接の法的効果を確認し、勧告や計画でも実質的な影響を検討します。
制度の基本と判断の出発点
行政事件訴訟法3条2項は、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟を定めます。伝統的な判断枠組みでは、公権力主体の行為で、その行為により直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められるかを検討します。
「通知」「勧告」「計画」という名称から機械的に判断するのは避けます。根拠法令と関連制度の下で、相手方の地位や後続手続にどのような影響が生じるか、現時点で争う必要性がどの程度あるかを具体的に確認します。
事例で確認する順番
- 争う対象行為を特定し、根拠法令と行政主体の権限を確認する。
- 権利義務への直接の法的効果と、後続手続との結び付きを検討する。
- 関連判例の事案との差を示し、取消訴訟で争うべき処分かを結論づける。
具体例で考える
通常の任意の行政指導と、従わない場合に制度上重大な不利益へ結び付く勧告を比べます。病院開設中止勧告に関する判例を読む際も、「勧告ならすべて処分」と一般化せず、保険医療機関指定等の仕組みとの関係を確認します。
例外・区別しておくこと
処分性を認めても、原告適格、出訴期間、訴えの利益等は別に必要です。また、処分性がないという結論が、行政の行為は適法だという結論を意味するわけではありません。確認訴訟や国家賠償等の救済の可能性は別問題です。
確認問題
解答・解説:決まりません。法令の仕組み、後続手続への影響、実質的な法的地位の変化を検討します。判例が処分性を認めた特定の勧告と、一般的な行政指導を区別します。
根拠条文・参考資料
よくある質問
行政庁が出した「勧告」という名称の文書は、名称だけで取消訴訟の対象外と決まりますか。
決まりません。法令の仕組み、後続手続への影響、実質的な法的地位の変化を検討します。判例が処分性を認めた特定の勧告と、一般的な行政指導を区別します。