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株主総会の権限とは?決議事項と決議要件

株主総会の権限は、取締役会を置く会社かどうかで異なります。議案の種類に応じ、普通決議・特別決議などの決議要件を確認します。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

株主総会の権限は、取締役会を置く会社かどうかで異なります。議案の種類に応じ、普通決議・特別決議などの決議要件を確認します。

到達目標

  • ✓機関設計による総会権限の違いを説明する
  • ✓議案ごとに決議要件を選ぶ

ひっかけポイント

  • !株主の人数と議決権数を同一視する。
  • !取締役会の有無を確認せず総会権限を決める。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

株主総会の基本

株主総会は株式会社の意思決定機関です。ただし、会社に関するすべての事項を常に決められるわけではありません。会社法295条は、取締役会設置会社では法律と定款で定めた事項に限って決議できるとします。取締役会非設置会社では、会社の組織・運営・管理など、会社に関する一切の事項について決議できます。

具体例で考える

A社が取締役会設置会社で、株主が日々の商品仕入れを直接決議したいと考えたとします。その事項が法律・定款上の総会権限に含まれるかを確認する必要があります。定款変更や役員選任のような事項と、通常の業務執行とを同列に扱うことはできません。

判断するときの順序

  1. 会社の機関設計と定款を確認し、議案が株主総会の権限に属するかを判断する。
  2. 議決権を持つ株主、定足数、賛成数を議案の種類に応じて確認する。
  3. 招集・議案通知・議決権行使等に違反があれば、決議の取消しや無効等の問題を別に検討する。

例外・関連制度との区別

普通決議は309条1項、特別決議は同条2項が基本です。単に出席者の人数を数えるのでなく、議決権の数を基準にします。役員選任については341条の特則があり、定款で変更できる範囲も異なります。決議要件を「いつも過半数」と覚えると取り違えます。

確認問題

解答・解説:誤りです。295条2項により、法律で定めた事項と定款で定めた事項に限られます。非設置会社の規律と区別します。

よくある質問

定款変更も役員選任も同じ決議要件ですか。

異なります。定款変更は原則として309条2項の特別決議、役員選任は341条の要件などを確認します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

株主総会の権限と決議の要件は、会社の機関構成と決議事項によって変わります。まず何を決める総会かを特定し、招集・定足数・賛成数を順に確認します。

  1. 取締役会設置会社かどうかを確認する。
  2. 決議事項が法律又は定款上の権限に入るかを調べる。
  3. 普通決議・特別決議等を選び、出席と賛成の母数を分けて計算する。
効果
普通決議では法定原則として議決権の過半数を持つ株主が出席し、その出席議決権の過半数が賛成します。特別決議では原則として出席議決権の3分の2以上の賛成が必要です。
例外・注意点
定款による変更や、選任・解任など個別の決議の特則を先に確認します。決議に瑕疵がある場合は、内容の違反と手続・方法の違反を分けて救済を選びます。
定足数と賛成数との比較
定足数は総会にどれだけ出席したか、賛成数は出席した議決権のうちどれだけ賛成したかです。出席者が全員賛成していても、必要な定足数が欠ける場合があります。

事例で考える

議決権総数90の会社で、法定原則どおりの特別決議を行いました。議決権60を持つ株主が出席し、40が賛成しました。定款による要件変更はありません。

出席と賛成の数について、特別決議の要件を満たしますか。

答えと理由を見る

満たします。60は総議決権90の過半数で、賛成40は出席議決権60の3分の2です。

309条2項の法定原則を、出席と賛成に分けて当てはめます。出席60は90の過半数を超えています。賛成40は出席60の3分の2に一致し、「以上」の要件を満たします。計算の母数を90と60で混同しないことが要点です。

自分の言葉で説明する

定足数と賛成数との違いを、自分の言葉で説明してください。

説明例を見る

定足数は総会にどれだけ出席したか、賛成数は出席した議決権のうちどれだけ賛成したかです。出席者が全員賛成していても、必要な定足数が欠ける場合があります。 定款による変更や、選任・解任など個別の決議の特則を先に確認します。決議に瑕疵がある場合は、内容の違反と手続・方法の違反を分けて救済を選びます。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
出席と賛成の数について、特別決議の要件を満たしますか。
判断の基準
株主総会の権限と決議の要件は、会社の機関構成と決議事項によって変わります。まず何を決める総会かを特定し、招集・定足数・賛成数を順に確認します。
事実へのあてはめ
309条2項の法定原則を、出席と賛成に分けて当てはめます。出席60は90の過半数を超えています。賛成40は出席60の3分の2に一致し、「以上」の要件を満たします。計算の母数を90と60で混同しないことが要点です。
結論
満たします。60は総議決権90の過半数で、賛成40は出席議決権60の3分の2です。

覚えておきたい問い

総会の権限は取締役会設置の有無でどう変わりますか。

答えを確かめる

取締役会設置会社には295条2項が適用され、株主総会は法律又は定款に定める事項に限って決議できる。非取締役会設置会社についての同条1項の広い権限をそのまま当てはめることはできない。 295条1項は非取締役会設置会社の総会に広い権限を認める。他方、同条2項は取締役会設置会社の総会の決議事項を法律又は定款所定の事項に限定するため、機関構成を先に確認する。

保存した内容を見る

定時総会と臨時の総会、招集手続の省略を説明してください。

答えを確かめる

300条本文は、株主全員の同意があるときに招集手続の省略を認める。同条ただし書は書面又は電磁的方法による議決権行使を定めた場合を除くが、設問ではその例外がない。 296条1項は定時総会の毎事業年度の招集を求め、2項は必要に応じた随時の招集を認める。総会が年1回だけに限られるわけではなく、定時と臨時の招集を区別する。

保存した内容を見る

普通決議の出席と賛成の数をどう計算しますか。

答えを確かめる

309条1項の法定の定足数は議決権の過半数であり、ちょうど半数の50では足りない。出席者の賛成数と、総議決権に対する出席割合は別々に確認しなければならない。 普通決議の法定原則は議決権の過半数を持つ株主の出席と、出席した株主の議決権の過半数の賛成である。100に対して60は過半数、出席60に対して31も過半数であり、双方の要件を満たす。

保存した内容を見る

特別決議の法定原則の賛成数はどれだけですか。

答えを確かめる

特別決議について309条2項が定める法定の賛成数は、出席した株主の議決権の3分の2以上である。普通決議の過半数と取り違えてはならず、定足数と賛成数の双方を確認する。 309条2項の法定原則では、議決権の過半数を持つ株主の出席と、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成を要する。60は90の過半数、40は出席60の3分の2に当たるため、設問の数の要件を満たす。

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決議取消しと内容の法令違反による無効確認はどう違いますか。

答えを確かめる

831条1項は決議取消しの訴えの期間を決議の日から3か月以内とする。瑕疵を知った日からではない。無効確認や不存在確認の訴えとの区別も必要となる。 830条2項は決議の内容が法令に違反するときの無効確認を認める。招集手続や決議方法の法令違反等を理由とする831条の取消しとは、瑕疵の種類を分けて考える。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

機関設計、議案の法的性質、適用条文、具体的議決権数の順で答案を作ります。決議内容の不当さと、招集・決議方法の法令違反を区別し、争う手段の要件へつなげます。

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