LLavaLex法律資格学習プラットフォーム
会社法standard

株主平等原則|株式の内容・数と異なる取扱い

株主平等原則は、すべての株主を人数で一律に扱うという意味ではありません。会社法109条に従い、株式の内容と数に応じた取扱いを出発点として、異なる取扱いの根拠を確認します。

更新日: 2026年10月23日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

株主平等原則は、すべての株主を人数で一律に扱うという意味ではありません。会社法109条に従い、株式の内容と数に応じた取扱いを出発点として、異なる取扱いの根拠を確認します。

到達目標

  • ✓比較する株主の株式の内容・数と、差のある取扱いを特定する。
  • ✓種類株式、定款、法定の例外などの根拠を確認する。
  • ✓異なる取扱いの目的・必要性・影響を検討し、必要な手続と分けて判断する。

ひっかけポイント

  • !株主平等原則と、憲法14条が私人間でどう働くかという問題は同じではありません。まず会社法109条等の具体的規律を適用します。買収防衛策など特殊な場面の判断を、通常の配当等へ無条件に広げないようにします。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

株主平等原則は、すべての株主を人数で一律に扱うという意味ではありません。会社法109条に従い、株式の内容と数に応じた取扱いを出発点として、異なる取扱いの根拠を確認します。

制度と判断の出発点

同じ内容の株式を持つ株主について、会社が株主の立場に基づく利益を合理的な根拠なく差別することが問題となります。株式数に応じた配当や議決権の差を、人数が同じでないから不平等だと評価するわけではありません。誰を何について比べるかを先に示します。

種類株式による権利内容の違いや、非公開会社が定款で株主ごとに異なる取扱いを定められる109条2項の事項等を確認します。異なる取扱いに必要な機関決定があることだけで、内容の適法性がすべて確保されるわけではありません。法の認める仕組みと要件に沿って検討します。

事例で確認する順番

  1. 比較する株主の株式の内容・数と、差のある取扱いを特定する。
  2. 種類株式、定款、法定の例外などの根拠を確認する。
  3. 異なる取扱いの目的・必要性・影響を検討し、必要な手続と分けて判断する。

具体例で考える

同じ普通株式を持つAとBについて、会社がAにだけ株主として特別な金銭を支給する場合を考えます。株式数に応じた差なのか、株主以外の別の取引への対価なのかを確かめます。支給の名目だけでなく、実質的にどの地位への利益かを見る必要があります。

区別しておきたい点

株主平等原則と、憲法14条が私人間でどう働くかという問題は同じではありません。まず会社法109条等の具体的規律を適用します。買収防衛策など特殊な場面の判断を、通常の配当等へ無条件に広げないようにします。

確認問題

解答・解説:その理由で違反にはなりません。109条1項は株式の内容と数に応じた平等を定めます。同じ条件の株式に対し、根拠なく異なる取扱いをしているかを確認します。

根拠条文・判例

よくある質問

1株だけ持つ人と100株持つ人に、株式数に比例した配当をすることは、人数で同額でないので109条違反ですか。

その理由で違反にはなりません。109条1項は株式の内容と数に応じた平等を定めます。同じ条件の株式に対し、根拠なく異なる取扱いをしているかを確認します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

株主平等は、株主一人ひとりに同じ量の権利を配るという意味ではありません。持っている株式の内容と数に応じて平等に扱う原則です。種類株式や非公開会社の定款上の特則と併せて読みます。

  1. 比較する株主の株式の種類と数を確認する。
  2. 配当・残余財産・議決権のどの権利の差かを特定する。
  3. 種類株式、109条2項の定款の定め、個別の法定例外を確認する。
効果
同じ内容の株式は、その数に応じて取り扱います。適法な種類株式の内容による差と、同じ条件の株主に対する恣意的な優遇は区別します。
例外・注意点
非公開会社の株主ごとに異なる定款の定めは、109条2項の対象となる権利と条件を確認します。公開会社にそのまま使える制度ではありません。
株主ごとの均一な取扱いとの比較
同じ種類をAが100株、Bが10株持つとき、株式数に応じた差まで禁止するものではありません。一方で、社長の親族という理由だけの優遇は、株式の内容・数という基準とは別です。

事例で考える

X社には同一内容の普通株式だけがあり、Aは100株、Bは10株を持っています。社内で「株主平等だから、株式数によらずAもBも同じ配当額にすべきだ」と提案されました。

その説明は、109条1項の平等の基準を正しく捉えていますか。

答えと理由を見る

正しく捉えていません。109条1項は株式の数にも応じた取扱いを求めます。

設例では株式の内容は同じですが数が異なります。109条1項が定める「内容及び数」という基準を当てはめると、株主一人当たりの総額を常に同一にするという説明にはなりません。個別の適法な定款の特則等があるかは別に確認します。

自分の言葉で説明する

株主ごとの均一な取扱いとの違いを、自分の言葉で説明してください。

説明例を見る

同じ種類をAが100株、Bが10株持つとき、株式数に応じた差まで禁止するものではありません。一方で、社長の親族という理由だけの優遇は、株式の内容・数という基準とは別です。 非公開会社の株主ごとに異なる定款の定めは、109条2項の対象となる権利と条件を確認します。公開会社にそのまま使える制度ではありません。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
その説明は、109条1項の平等の基準を正しく捉えていますか。
判断の基準
株主平等は、株主一人ひとりに同じ量の権利を配るという意味ではありません。持っている株式の内容と数に応じて平等に扱う原則です。種類株式や非公開会社の定款上の特則と併せて読みます。
事実へのあてはめ
設例では株式の内容は同じですが数が異なります。109条1項が定める「内容及び数」という基準を当てはめると、株主一人当たりの総額を常に同一にするという説明にはなりません。個別の適法な定款の特則等があるかは別に確認します。
結論
正しく捉えていません。109条1項は株式の数にも応じた取扱いを求めます。

覚えておきたい問い

株主平等原則は何を基準に取扱いを比べますか。

答えを確かめる

109条1項の明文の基準は保有する株式の内容及び数である。貢献年数や役員との私的な関係を当然の権利配分基準に置き換えることはできない。例外となる定款の定めの有無は別に確認する。 109条1項は株式の内容及び数に応じた平等な取扱いを求める。親族関係そのものは同項の基準ではない。権利の種類や定款上の適法な例外等を確認した上で、恣意的な優遇かどうかを検討する。

保存した内容を見る

保有する株式の数が違うとき、権利の量に差を設けられますか。

答えを確かめる

109条1項は株式の内容に加えて数に応じた平等を定める。株主という人格ごとの均一な取扱いを常に要求する規定ではなく、株式数による差をすべて排除する読み方は条文に反する。 株主平等は株主一人につき常に同量の権利を保障するという意味ではない。109条1項が株式の数も基準にしているため、同一の内容の株式の保有数に応じて権利の量が異なることは原則に整合する。

保存した内容を見る

種類株式の内容による差は、なぜ平等原則と両立するのですか。

答えを確かめる

108条は剰余金の配当等について内容の異なる種類株式を認めている。109条1項も株式の内容に応じた平等を定めるため、適法に設けられた種類間の内容の差と、同じ条件の株主間の恣意的な差を分ける必要がある。 108条1項1号は剰余金の配当について内容の異なる種類株式を認める。株主平等原則は株式の内容の差を無視してすべて同一にする趣旨ではなく、適法な種類株式の制度と両立する。

保存した内容を見る

109条2項の属人的な定めは、どの会社に認められますか。

答えを確かめる

109条2項が対象とするのは公開会社でない株式会社である。公開会社が同項をそのまま根拠に株主ごとの取扱いを定めることはできない。種類株式の制度による権利内容の設計とは区別する。 109条2項は非公開会社について、剰余金の配当、残余財産の分配、株主総会の議決権に関する属人的な定款の定めを認める。非公開会社であること、対象権利、定款の定めという条件を確認する。

保存した内容を見る

自己株式の議決権はどう扱われますか。

答えを確かめる

308条2項は株式会社が自己株式について議決権を有しないと定める。他の株主に対する株主平等の問題と、会社自身が持つ自己株式の法定の扱いは区別する。 109条2項は105条1項各号の三つの権利を対象とする。非公開会社であることに加え、対象となる権利の種類と定款の定めを確認し、株主のあらゆる権利を自由に変えられる規定とは扱わない。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

異なる取扱いの目的・必要性・影響を検討し、必要な手続と分けて判断する。

この論点を問題で確かめる

関連する10問から出題します。解答後に解説を読み、条文・判例へ戻って復習できます。

問題を解く →学ぶ範囲に迷ったら、登録せず8問で確かめる →

次にやること

この論点は単独で暗記するより、条文・判例・関連論点とつなげて読むと定着しやすくなります。