株主平等原則は、すべての株主を人数で一律に扱うという意味ではありません。会社法109条に従い、株式の内容と数に応じた取扱いを出発点として、異なる取扱いの根拠を確認します。
制度と判断の出発点
同じ内容の株式を持つ株主について、会社が株主の立場に基づく利益を合理的な根拠なく差別することが問題となります。株式数に応じた配当や議決権の差を、人数が同じでないから不平等だと評価するわけではありません。誰を何について比べるかを先に示します。
種類株式による権利内容の違いや、非公開会社が定款で株主ごとに異なる取扱いを定められる109条2項の事項等を確認します。異なる取扱いに必要な機関決定があることだけで、内容の適法性がすべて確保されるわけではありません。法の認める仕組みと要件に沿って検討します。
事例で確認する順番
- 比較する株主の株式の内容・数と、差のある取扱いを特定する。
- 種類株式、定款、法定の例外などの根拠を確認する。
- 異なる取扱いの目的・必要性・影響を検討し、必要な手続と分けて判断する。
具体例で考える
同じ普通株式を持つAとBについて、会社がAにだけ株主として特別な金銭を支給する場合を考えます。株式数に応じた差なのか、株主以外の別の取引への対価なのかを確かめます。支給の名目だけでなく、実質的にどの地位への利益かを見る必要があります。
区別しておきたい点
株主平等原則と、憲法14条が私人間でどう働くかという問題は同じではありません。まず会社法109条等の具体的規律を適用します。買収防衛策など特殊な場面の判断を、通常の配当等へ無条件に広げないようにします。
確認問題
解答・解説:その理由で違反にはなりません。109条1項は株式の内容と数に応じた平等を定めます。同じ条件の株式に対し、根拠なく異なる取扱いをしているかを確認します。
根拠条文・判例
よくある質問
1株だけ持つ人と100株持つ人に、株式数に比例した配当をすることは、人数で同額でないので109条違反ですか。
その理由で違反にはなりません。109条1項は株式の内容と数に応じた平等を定めます。同じ条件の株式に対し、根拠なく異なる取扱いをしているかを確認します。