違法な行政処分が、すべて初めから無効になるわけではありません。取消し得る処分と無効な処分を区別し、瑕疵の内容、救済方法、出訴期間との関係を整理します。
制度と判断の出発点
処分が違法でも、権限ある機関によって取り消されるまでは有効なものとして扱われることがあります。無効の判断では一般に重大かつ明白な瑕疵が問題となりますが、制度の趣旨や権利保護の必要性等を踏まえた検討が必要で、どの違法も同じ重さで扱いません。
無効等確認訴訟では、処分が無効かという本案に進む前に、行政事件訴訟法36条の法律上の利益や補充性等を確認します。無効を主張すれば取消訴訟の出訴期間を常に回避できるわけではありません。選んだ訴訟でどのような救済を得る必要があるかが重要です。
事例で確認する順番
- 処分のどの要件・手続に、どのような瑕疵があるかを特定する。
- 取消しの対象となる違法と、無効を導く瑕疵を区別して評価する。
- 取消訴訟か無効等確認訴訟かを選び、それぞれの訴訟要件を検討する。
具体例で考える
課税処分の計算に誤りがある事例では、金額の誤りという事実だけで当然無効とはできません。誤りの程度と原因、外形から判明するか、制度上の取扱いを確認します。出訴期間が過ぎたこと自体は、処分の瑕疵を重大・明白に変える事情ではありません。
区別しておきたい点
無効等確認訴訟の補充性と、瑕疵が重大・明白かという実体判断は別です。無効が認められないという本案の結論と、訴訟要件を欠いて却下される結論を区別して説明します。
確認問題
解答・解説:扱えません。処分の瑕疵が無効を導くものかは独立に判断します。その前提として、36条の法律上の利益や補充性等の訴訟要件も確認する必要があります。
根拠条文・判例
よくある質問
取消訴訟の出訴期間を過ぎた人が、無効確認を求めました。出訴期間の経過だけで処分を無効と扱えますか。
扱えません。処分の瑕疵が無効を導くものかは独立に判断します。その前提として、36条の法律上の利益や補充性等の訴訟要件も確認する必要があります。