申請に対する許認可等の審査基準と、不利益処分の処分基準では、行政手続法の義務の定め方が異なります。基準の設定・公表、個別の理由提示、具体的な裁量判断を分けて確認します。
制度と判断の出発点
5条の審査基準は、申請により求められた許認可等をするかを判断する基準です。行政庁には定める義務があり、できる限り具体的なものとし、行政上特別の支障がある場合を除いて公にしておかなければなりません。申請者が見通しを持てることが重要です。
12条の処分基準は、不利益処分をするか、どのような処分にするかの判断基準です。こちらは設定・公表が努力義務とされています。基準があることから理由提示を省けるわけではなく、当該申請や違反事実にどう基準を当てはめたかを別に説明する必要があります。
事例で確認する順番
- 申請への応答か、不利益処分かを先に区別する。
- 審査基準又は処分基準の設定・具体化・公表の規律を確認する。
- 基準自体の合理性と、個別事情への適用・理由提示を分けて検討する。
具体例で考える
免許申請を「審査基準に合わない」と拒否する場合、申請者が基準を知れたかに加え、どの事実がどの項目に合わないのかが問題となります。基準の公表だけで公正な審査が常に実現するわけではなく、必要な主張・証拠提出の機会も検討します。
区別しておきたい点
審査基準と処分基準を、いずれも一律に設定・公表義務があると書かないようにします。また、法律にない要件を基準で自由に追加できるわけではなく、根拠法の趣旨や委任の範囲との整合性が必要です。
確認問題
解答・解説:基準の公表と、その申請がなぜ基準を満たさないかの説明は役割が違うためです。8条の理由提示の要件を確認し、該当する基準と認定事実の対応を示します。
根拠条文・判例
よくある質問
申請を拒否する行政庁が基準を公表していても、個別の拒否理由の説明が必要になるのはなぜですか。
基準の公表と、その申請がなぜ基準を満たさないかの説明は役割が違うためです。8条の理由提示の要件を確認し、該当する基準と認定事実の対応を示します。