法令に基づく申請が届くと、行政庁は遅滞なく審査を始める必要があります。行政手続法7条を軸に、形式不備の補正・拒否処分、審査基準、理由提示を一続きで理解します。
制度の仕組みと検討する要件
行政手続法上の申請は、許認可等を求める行為で行政庁が諾否の応答をすべきものです。一般的な要望書や相談がすべて申請に当たるわけではありません。7条は申請が事務所へ到達したときの審査開始を定め、形式要件に適合しない申請については速やかに相当の期間を定めた補正要求又は拒否処分を求めます。
行政庁が内部で「受理」と呼ぶ処理をしなければ審査義務が生じないという理解は適切ではありません。審査基準は5条、標準処理期間は6条、拒否時の理由提示は8条を確認します。標準処理期間は通常必要な期間の目安であり、その経過だけで許可されたことになる制度ではありません。
判断の順序
- 法令に基づく申請と、相談・陳情を区別する。
- 到達時点と形式上の不備、補正要求又は拒否処分を確認する。
- 審査基準・処理期間・理由提示と、不応答への救済を整理する。
事例へのあてはめ
申請書に法定の添付書類が欠けていた場合、窓口が単に保管したまま放置すればよいわけではありません。形式不備に当たるかを確認し、相当の期間を定めて補正を求めるか、申請を拒否する処分が必要です。補正に応じない場合の扱いと、実体的な許可要件を欠く場合の理由は分けます。
混同しやすい点
申請を認める義務と、申請を審査して応答する義務は異なります。申請者に実体的な許可請求権がないとしても、応答を先送りしてよいことにはなりません。
確認問題
解答・解説:なりません。標準処理期間は通常必要な審査期間の目安です。相当期間内に応答がないときは不作為の違法確認や義務付け等の要件を検討しますが、期間経過による当然許可とは別です。
根拠となる一次資料
よくある質問
標準処理期間を過ぎたら、申請者は当然に許可を取得したことになりますか。
なりません。標準処理期間は通常必要な審査期間の目安です。相当期間内に応答がないときは不作為の違法確認や義務付け等の要件を検討しますが、期間経過による当然許可とは別です。