Case Brief
個人タクシー事件|具体的審査基準と主張・証拠提出の機会
多数の免許申請者から少数を選ぶ審査で、公正な手続を求めた判決です。判断基準の設定と、その適用に必要な申請者の主張・証拠提出の機会を結び付けて読みます。
更新日: 2026年10月23日
裁判所
最高裁判所第一小法廷
判決日
1971-10-28
引用
民集 第25巻7号1037頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:個人タクシー事業の免許について、多数の申請の中から少数の者を選ぶ審査が行われ、申請を却下された者が処分を争いました。個々の事実の評価を伴う基準を、申請者の説明を聞かずに適用してよいかが問題となりました。 争点:根拠法の趣旨に沿う具体的な審査基準を定め、公正・合理的に適用すべきか、微妙で高度な認定を要する事項について申請者へ主張と証拠提出の機会を与えるべきかが争点です。 判断:最高裁は、具体的な審査基準の設定と公正・合理的な適用を求め、基準の内容が微妙で高度な認定を要する場合等には、聴聞その他適切な方法で必要な主張・証拠提出の機会を与えるべきとしました。これに反する手続で申請を却下すると、公正な手続で判定を受ける利益を侵害して違法となるとしています。基準が存在するだけでは手続の公正さが確保されないことを示します。
射程
すべての申請処分について、同一の形式の聴聞が常に必要とした判決ではありません。選抜の構造、基準の性質、認定の難しさを踏まえ、どのような機会を与えるべきだったかを検討します。 行政手続法の制定前の判決です。現行法5条の審査基準、8条の理由提示等との関係を整理しますが、判決の要求をそのまま各条文の文言と同一視しないようにします。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月23日