裁判で何を決めてもらうのか
AがBに貸した100万円の返還を求める場合、「100万円を支払え」という求めだけでは、売買代金なのか貸金なのか分かりません。請求の趣旨と請求原因を合わせ、どの権利・法律関係を審理するかを明確にします。民事訴訟法133条2項が訴状に請求の趣旨と原因を記載させるのは、この特定に関わるためです。
請求・主張・争点を分ける
訴訟上の請求は、原告が裁判所に一定の権利保護を求める申立てです。「100万円を貸した」「返済期限が来た」は請求を根拠づける事実の主張です。Bが借入れ自体を否認すれば契約の成立が争点となり、返済済みと主張すれば弁済の有無が争点となります。争点が増えても、常に訴訟物まで増えるわけではありません。
特定するときの順序
- 当事者と求める判決の内容を確認する。
- どの実体法上の権利や法律関係を基礎とするかを確認する。
- 同じ当事者間の別請求と区別できる事実を確認する。
- 訴えの変更、重複訴訟、既判力のどの場面で同一性が問題かを示す。
学説との関係
訴訟物の捉え方には、実体法上の権利を基準とする立場と、紛争や給付の内容などを重視する立場があります。契約上の請求権と不法行為上の請求権が同じ損害について生じる例では、立場によって整理が変わり得ます。入門段階では結論だけを覚えず、どの基準で一つと数えるのかを言葉にしましょう。
根拠条文と確認日
法令適用基準日・確認日:2026年10月22日。下記の根拠条文を基にした資格学習用の一般的解説です。事例と確認問題はLavaLexのオリジナルです。
よくある質問
訴訟物と争点は同じですか。
異なります。訴訟物は判断を求める対象で、争点はその判断に必要な事項のうち当事者間で争われている点です。