裁判所は、具体的な権利義務や法律関係をめぐる争いを法令の適用で解決します。政策への賛否や抽象的な違憲判断を求めるだけで、当然に司法審査の対象となるわけではありません。
制度と判断の出発点
憲法76条と裁判所法3条を出発点に、法律上の争訟に当たるかを検討します。具体的な当事者間の権利義務等に関する紛争であることと、法令の適用によって終局的に解決できることが重要です。法的効果を持たない抽象的な見解の対立は、同じようには扱えません。
違憲審査は具体的な事件を解決するために法令等の合憲性を判断する仕組みです。法律上の争訟に当たるか、訴訟類型の要件を満たすか、司法判断にどのような限界があるかを順に検討します。政治性の高い問題であることだけを理由に、すべて司法権の外に置くことも適切ではありません。
事例で確認する順番
- 当事者が裁判所に求める具体的な権利救済と法律関係を特定する。
- 法令の適用で終局的に解決できる争いかを検討する。
- 違憲判断の必要性と、司法判断の限界を区別して結論を書く。
具体例で考える
ある法律に反対する人が、自分の権利義務への影響を示さず「法律は違憲だと宣言してほしい」と求める場合を考えます。法律の内容を審査する前に、どの訴訟でどの具体的な紛争を解決するのかを確認します。処分を受けてその取消しを求める場合とは構造が異なります。
区別しておきたい点
具体的な紛争があることと、訴えの利益・原告適格等があることも同じではありません。司法権の範囲という大きな入口と、各訴訟の要件、事件の本案の判断を混ぜずに整理します。
確認問題
解答・解説:当然には求められません。具体的な法律上の争訟があり、その事件を解決するために合憲性を判断するという構造を確認します。訴訟類型固有の要件も別に検討します。
根拠条文・判例
よくある質問
最高裁判所に違憲審査権があることから、誰でも抽象的に法律の違憲確認を求められますか。
当然には求められません。具体的な法律上の争訟があり、その事件を解決するために合憲性を判断するという構造を確認します。訴訟類型固有の要件も別に検討します。