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伝聞法則とは?要証事実から判断する手順

伝聞証拠かどうかを、要証事実と供述内容の真実性から判断する方法を解説。目撃談と脅迫発言の例で、伝聞例外・同意・証明力との違いを整理します。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

伝聞法則は、公判外の供述を、その内容が真実であることを示す証拠として使う場合に、原則として証拠能力を制限するルールです。同じ発言でも、何を証明するために使うかで結論が変わります。

この記事の内容を3問で確かめる

「伝聞法則要証事実から判断する手順」の基本を確認します。登録せずに解けて、1問ごとに解説と根拠を読めます。

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到達目標

  • ✓要証事実を具体的に設定する
  • ✓供述内容の真実性への依存を判断する
  • ✓伝聞該当性と例外・証明力を区別する

ひっかけポイント

  • !他人の発言が出ればすべて伝聞と判断しない
  • !伝聞でなければ必ず信用できると考えない
  • !伝聞例外を必要性だけで一括処理しない

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

反対尋問による確認の機会を守る

Bが法廷で「Aから、被告人が窓を割ったと聞いた」と証言した場合を考えます。窓を割った犯人を証明するには、実際に見たというAの知覚・記憶・表現が正しいかを確かめたいところです。Bへの質問だけでは、Aの説明を直接検証できません。このような危険に対処するため、刑事訴訟法320条は伝聞証拠を原則として制限します。

要証事実から考える手順

  1. 証拠として提出される供述や書面を特定する。
  2. 証明しようとする事実を一文で書く。
  3. その立証に、元の供述内容が真実であることが必要かを考える。
  4. 伝聞に該当したら、321条以下の例外規定や326条の同意等を確認する。

同じ発言でも使い方で変わる

「明日、お前の店を壊す」と告げられたという証言を、脅迫的な発言がされた事実の証明に使う場合、実際に翌日店を壊すつもりだったかが真実である必要はありません。発言の存在自体を証明する使い方です。一方、「Aが、被告人が店を壊したと話した」という証言を犯人性の証明に使うなら、Aの説明内容の真実性に依存します。

例外と信用性は別に検討する

伝聞に該当しても、供述者や書面の種類に応じた法定の要件を満たせば証拠として使える場合があります。必要性や信用性の保障の要件は条文ごとに違い、供述者が不在というだけでは足りません。証拠として同意された書面等に関する326条も別に確認します。また、伝聞ではないという判断は証拠の信用性を保証するものではなく、証明力の評価は残ります。

根拠条文と確認日

法令適用基準日・確認日:2026年10月22日。下記の根拠条文を基にした資格学習用の一般的解説です。事例と確認問題はLavaLexのオリジナルです。

よくある質問

伝聞証拠とは、単に又聞きのことですか。

日常語の又聞きだけでは判断できません。本人の公判外供述でも問題となり得るため、立証目的と内容の真実性への依存を確認します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

伝聞性は、証拠の名称ではなく、何を証明するために使うかで判断します。公判外の供述の内容が真実であることを推認する使い方では、原則として伝聞法則が問題になります。

  1. 立証しようとする事実を具体的に一文で示す。
  2. 原供述者、公判外の発言、公判で提出する証拠を分けて書く。
  3. 供述内容の真実性に依存する推論か、それとも発言があったこと自体等に意味があるかを検討する。
効果
伝聞に当たる場合は、321条以下の例外や証拠同意などを満たさなければ、原則として実体的事実の認定に使えません。
例外・注意点
発言の存在が意味を持つ場合でも、隠れた推論でその内容の真実性を利用していないか確認します。328条の弾劾証拠として認めた資料を、犯罪事実の積極的な認定に流用することもできません。
証拠能力と証明力との比較
反対尋問ができない伝聞を証拠として使えるかが証拠能力、その証拠をどの程度信用するかが証明力です。「信用できそうだ」というだけでは伝聞例外の要件を省けません。

事例で考える

証人Bは法廷で「Cから『Aが倉庫へ入った』と聞いた」と述べた。検察官はAの倉庫への立入りを証明するために、この証言を使おうとした。Cは出廷していない。

Bを反対尋問できれば、伝聞の問題はなくなるか。

答えと理由を見る

なくなりません。Aの立入りを実際に認識・記憶したというCの供述に、推論が依存しています。

Bへの反対尋問では、Bが正しく聞いたかは検証できますが、Cが何を見て正しく覚えていたかは直接検証できません。Cの公判外供述について伝聞例外等が必要です。

自分の言葉で説明する

同じ「CがAの立入りを話した」という証言でも、立証目的が変われば伝聞性は変わるか。

説明例を見る

変わり得ます。例えば、その発言を聞いたBが確認に出向いた経緯を問題にし、Aの立入り自体の真実性を利用しない場合は、発言の存在に意味があります。名目だけの立証目的ではなく、実際の推論を確認します。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
Bが伝えたCの目撃談を、Aの立入りの証明に使用できるか。
判断の基準
公判外の原供述の内容が真実であることに依存して事実を認定する証拠は、原則として伝聞法則の規制を受ける。
事実へのあてはめ
Aが倉庫に入ったとの結論は、Cが正しく見て話したことを前提とする。Bの反対尋問だけではCの認識・記憶・表現の正確さを十分に検証できない。
結論
本件使用は伝聞に当たり、例外等の要件を別途検討する必要がある。

覚えておきたい問い

伝聞かどうかは、「供述調書」「証言」などの名称だけで決まるか。

答えを確かめる

決まりません。要証事実を特定し、公判外の供述内容の真実性を利用しているかを判断します。

保存した内容を見る

伝聞を法廷で伝えた証人に反対尋問できれば、原供述者への尋問の問題は解消するか。

答えを確かめる

解消しません。伝えた人への尋問と、実際に見聞きした原供述者の認識・記憶・表現を検証することは異なります。

保存した内容を見る

328条の弾劾証拠として採用された公判外供述を、その内容が真実だとして犯罪事実の認定に使えるか。

答えを確かめる

使えません。許された証明力を争う用途と、内容を積極的に立証する用途を区別します。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

「誰のどの供述で、どの事実を証明するのか」を示したうえで、内容の真実性が立証に必要かを検討します。伝聞に当たる場合に、該当する例外規定や同意の要件へ進みます。

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