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取締役会とは?権限・決議と監督機能

取締役会は、業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職などを担います。意思決定と実際の執行を分けて理解します。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

取締役会は、業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職などを担います。意思決定と実際の執行を分けて理解します。

到達目標

  • ✓取締役会の決定・監督機能を区別する
  • ✓決議要件と委任の限界を説明する

ひっかけポイント

  • !取締役会と代表取締役を同じ主体と考える。
  • !特別利害関係を持つ取締役も当然に議決へ加える。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

取締役会の基本

取締役会はすべての取締役で構成される合議体です。通常の取締役会設置会社では、会社法362条を軸に業務執行の方針を決め、代表取締役等による執行を監督します。個々の取締役が当然に会社のすべての業務を単独決定・代表できるわけではありません。

具体例で考える

A社が主要工場を売却する場合、重要な財産の処分に当たるかを検討します。単なる日常の備品購入と異なり、会社の事業規模や財産価値との関係で重要性を判断します。取締役会が決めるべき事項を、代表取締役が社内判断だけで処理していないかが問題になります。

判断するときの順序

  1. 監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社等かを含め、機関設計を確認する。
  2. 問題の事項が取締役会で決定すべき事項か、取締役等に委任できる事項かを分類する。
  3. 招集・定足数・賛成数・特別利害関係を確認し、実行者の権限と監督責任を分けて検討する。

例外・関連制度との区別

369条では原則として議決に加われる取締役の過半数が出席し、その過半数で決議します。特別の利害関係がある取締役は議決に加われません。監査等委員会設置会社などには業務執行決定の委任に関する特則があるため、362条の説明をすべての会社へ一律に当てはめないようにします。

確認問題

解答・解説:誤りです。取締役の職務執行の監督も取締役会の職務です。代表取締役への一任によって監督の役割自体がなくなるわけではありません。

よくある質問

すべての株式会社に取締役会がありますか。

いいえ。法律上設置が必要な会社と、定款により設置する会社、取締役会を置かない会社があります。まず機関設計を確認します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

取締役会は業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職を担います。重要な業務執行を誰が決めるかと、取締役会自身の決議が成立するかを分けて考えます。

  1. 会社の機関構成と委任に関する特則を確認する。
  2. 重要財産の処分や多額の借財など、取締役に決定を委ねられない事項かを調べる。
  3. 特別利害関係者を除いた議決可能者を基礎に、出席・賛成を計算する。
効果
通常の決議は、議決可能な取締役の過半数が出席し、その過半数が賛成して成立します。定款で法定要件を加重した場合には、その要件も満たす必要があります。
例外・注意点
監査等委員会設置会社等には業務執行の委任の特則があります。決議省略の370条は、定款の定めと全員の書面等による同意を必要とし、通常の会議決議と条件が違います。
株主総会の決議との比較
株主総会では議決権数を基礎にしますが、取締役会では議決に加われる取締役の人数を基礎にします。特別利害関係者がいるときは、まず議決可能な人数を確定します。

事例で考える

取締役5人のうち、Dだけが議題について特別の利害関係を持っています。D以外の3人が出席し、2人が賛成しました。定款による要件加重はありません。

369条の人数の要件を満たしますか。

答えと理由を見る

満たします。議決可能な4人のうち3人が出席し、出席3人のうち2人が賛成しています。

Dは369条2項により議決に加われないため、定足数の基礎は5人ではなく4人です。その過半数である3人が出席し、さらに出席3人の過半数である2人が賛成しているので、人数の要件を満たします。

自分の言葉で説明する

株主総会の決議との違いを、自分の言葉で説明してください。

説明例を見る

株主総会では議決権数を基礎にしますが、取締役会では議決に加われる取締役の人数を基礎にします。特別利害関係者がいるときは、まず議決可能な人数を確定します。 監査等委員会設置会社等には業務執行の委任の特則があります。決議省略の370条は、定款の定めと全員の書面等による同意を必要とし、通常の会議決議と条件が違います。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
369条の人数の要件を満たしますか。
判断の基準
取締役会は業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職を担います。重要な業務執行を誰が決めるかと、取締役会自身の決議が成立するかを分けて考えます。
事実へのあてはめ
Dは369条2項により議決に加われないため、定足数の基礎は5人ではなく4人です。その過半数である3人が出席し、さらに出席3人の過半数である2人が賛成しているので、人数の要件を満たします。
結論
満たします。議決可能な4人のうち3人が出席し、出席3人のうち2人が賛成しています。

覚えておきたい問い

取締役会の三つの基本的な職務は何ですか。

答えを確かめる

362条2項2号は取締役の職務執行の監督を取締役会の職務とする。代表取締役も取締役であり、選定後に監督対象から除外されるわけではない。選定と継続的な監督の役割を区別する。 362条2項は業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定・解職を列挙する。取締役会を個々の取引の決定機関としてだけ捉えると、監督機能と代表者の選解職を見落とす。

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通常の会社で、重要な業務執行の決定を取締役に委任できますか。

答えを確かめる

362条4項2号は多額の借財を取締役会自身が決定すべき重要な業務執行に含める。通常の会社について、日常の業務執行を委ねていることだけから多額の借財の決定まで包括委任できるとはいえない。 362条4項1号は重要な財産の処分及び譲受けを、取締役会が取締役に決定を委任できない事項とする。会社の規模や財産の重要性を確認した上で適用し、特別な機関設計についての委任特則とは区別する。

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369条の出席・賛成の母数をどう定めますか。

答えを確かめる

369条1項の定足数は議決に加われる取締役の過半数であり、4人の半数である2人では不足する。出席した2人が全員賛成しても、出席の要件の欠缺は補えない。 369条1項の原則は議決に加われる取締役の過半数の出席と、その過半数の賛成である。議決可能な5人に対して3人の出席、出席3人に対して2人の賛成は、いずれも過半数となる。

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特別の利害関係を持つ取締役は決議に参加できますか。

答えを確かめる

369条2項による議決参加の制限は、他の取締役の同意があれば解除できるという制度ではない。特別利害関係が認められる以上、当該取締役を議決可能者から除外して決議要件を検討する。 369条2項は特別の利害関係を有する取締役の議決参加を排除する。1項の定足数は議決可能な取締役を基礎に算定するため、除外対象を確定してから出席・賛成の数を計算する。

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370条の決議省略には何が必要ですか。

答えを確かめる

370条は決議の省略を可能にする定款の定めを前提とする。全員の電磁的記録による同意はその後の条件であり、定款の定めが欠ける設問では同条の仕組みを利用できない。 370条は定款の定めに加え、議決に加われる取締役全員の書面又は電磁的記録による同意を要求する。監査役設置会社では監査役の異議がないことも必要で、単なる多数決では代えられない。

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答案・記述式での使い方

代表権、取締役会の決定権、業務執行権を分けて検討します。取締役会決議がないことが相手方との取引の効力にどう影響するかは、内部的な違反と別の論点として処理します。

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