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自己株式取得の財源規制|取得手続と支払可能額を分ける

自己株式取得では、取得できる場合・決議手続と、会社財産を払い出せる限度を別に確認します。会社法156条以下と461条を使い、株主平等と債権者保護の両方から整理します。

更新日: 2026年10月24日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

自己株式取得では、取得できる場合・決議手続と、会社財産を払い出せる限度を別に確認します。会社法156条以下と461条を使い、株主平等と債権者保護の両方から整理します。

到達目標

  • ✓155条の取得事由と、市場・特定株主等の取得方法を確認する。
  • ✓必要な機関決定と通知、株主の取扱いを検討する。
  • ✓461条の対象・効力発生日・分配可能額と対価を比較する。

ひっかけポイント

  • !自己株式取得と資本金の減少は別の行為です。また取得した自己株式に関する議決権の制限と、取得自体の適法性を分けて整理します。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

自己株式取得では、取得できる場合・決議手続と、会社財産を払い出せる限度を別に確認します。会社法156条以下と461条を使い、株主平等と債権者保護の両方から整理します。

制度の仕組みと検討する要件

自己株式は会社が自社の株式を保有するものです。会社法155条は取得できる場合を列挙し、株主との合意による取得では156条等の決定・通知等を確認します。特定の株主から取得する場合には160条の特則があり、他の株主の売主追加請求などにも注意します。会社が希望したら自由に買い戻せるという構造ではありません。

手続に従っていても、対価の払い出しには461条の分配可能額による制限が問題になります。現金残高や会計上の利益があることと、法令に基づく分配可能額の範囲内であることは同じではありません。同条の対象となる取得類型か、効力発生日の金銭等の帳簿価額の総額が限度を超えないかを確認します。違反時の責任は462条等によって別に検討します。

判断の順序

  1. 155条の取得事由と、市場・特定株主等の取得方法を確認する。
  2. 必要な機関決定と通知、株主の取扱いを検討する。
  3. 461条の対象・効力発生日・分配可能額と対価を比較する。

事例へのあてはめ

現金を多く持つ会社が一人の大株主から株式を買う場合でも、資金があるというだけでは足りません。特定株主からの取得手続に加え、その取得に伴う支払が分配可能額を超えないかを確認します。借入れで現金を増やしても、それだけで分配可能額が同額増えるとはいえません。

混同しやすい点

自己株式取得と資本金の減少は別の行為です。また取得した自己株式に関する議決権の制限と、取得自体の適法性を分けて整理します。

確認問題

解答・解説:できるとは限りません。461条の対象となる取得では分配可能額の規制があります。現金残高は支払能力に関わる事実であり、法定の財源規制を満たすことを意味しません。

根拠となる一次資料

よくある質問

会社の預金が取得対価を上回っていれば、分配可能額を調べなくても有償の自己株式取得はできますか。

できるとは限りません。461条の対象となる取得では分配可能額の規制があります。現金残高は支払能力に関わる事実であり、法定の財源規制を満たすことを意味しません。

答案・記述式での使い方

461条の対象・効力発生日・分配可能額と対価を比較する。

次にやること

この論点は単独で暗記するより、条文・判例・関連論点とつなげて読むと定着しやすくなります。