当事者適格は、特定の訴訟で本案判決を受ける資格です。権利の有無という本案の問題、当事者能力、他人の権利について訴訟を行う訴訟担当を切り分けると判断しやすくなります。
制度の仕組みと検討する要件
通常の給付訴訟では、自分に給付請求権があると主張する者が原告、その義務を負うと主張された者が被告となるのが基本です。審理の結果、貸付けが存在しないと分かった場合は、通常、請求に理由がないという本案の問題です。権利がないという結論をすぐに原告適格欠如へ置き換えるのは適切ではありません。
他人の権利関係を自己の名で訴求する訴訟担当は、担当する根拠が必要です。民訴法30条の選定当事者は共同の利益を有する多数の者のために訴訟を行い、民法423条以下の債権者代位権などにも固有の制度的根拠があります。代理人は本人の名で訴訟を行うので、自己の名で追行する訴訟担当者とは異なります。
判断の順序
- 訴えの種類と、誰の権利関係を対象としているかを確定する。
- 通常の当事者適格か、他人の権利に関する訴訟担当かを区別する。
- 担当の法的根拠と要件を示し、本案の権利の有無を別に判断する。
事例へのあてはめ
Aが「Bに100万円を貸した」と主張して返還を求め、証拠から金銭交付が認められなかった場合、通常は請求棄却の問題です。これに対し、Cが単にAの友人だからという理由で、C自身を原告としてAの貸金を請求するには、そのような訴訟担当を認める根拠が必要です。委任状を受け取ったことだけでCが原告になるわけではありません。
混同しやすい点
当事者適格は訴訟要件ですが、給付訴訟では請求権の実在と一体化させないことが重要です。確認訴訟では、誰との間で確認すれば紛争解決に役立つかという確認の利益との関連も検討します。
確認問題
解答・解説:違います。訴訟代理では当事者は本人であり、代理人は本人のために訴訟行為をします。自己の名で他人の権利関係について本案判決を求める訴訟担当とは、判決の名宛人や制度の根拠が異なります。
根拠となる一次資料
よくある質問
訴訟代理人が本人の債権を訴状に記載した場合、代理人が原告として自己の名で債権を行使しているのですか。
違います。訴訟代理では当事者は本人であり、代理人は本人のために訴訟行為をします。自己の名で他人の権利関係について本案判決を求める訴訟担当とは、判決の名宛人や制度の根拠が異なります。