起訴後の身体拘束について、権利保釈の除外事由、裁量保釈の考慮事情、保証金と条件を整理します。勾留の理由がなくなる場合との違いも設例で確認します。
保釈を検討できる時点を確かめる
保釈は、勾留中の被告人について、勾留の効力を残したまま身体拘束を解く制度です。起訴前の被疑者には保釈制度は適用されません。刑訴207条1項ただし書を確認し、逮捕中・被疑者勾留中・起訴後を分けます。勾留の理由や必要がなくなったときに勾留そのものを取り消す87条とは出発点が違います。
89条の除外事由と90条の判断を分ける
88条の請求があり89条各号に該当しなければ、裁判所は保釈を許さなければなりません。罪証隠滅については抽象的な可能性ではなく、疑うに足りる相当な理由が問題です。89条の除外事由がある場合も90条の裁量保釈を別に検討します。逃亡・罪証隠滅のおそれと、拘束継続による健康、経済、社会生活、防御準備上の不利益その他の事情を具体的に比較します。
許可・保証金・実際の釈放を区別する
裁判所は保釈を許す場合に保証金額を定め、住居制限など適当な条件を付すことができます。許可決定だけで直ちに外へ出られるとは限らず、原則として保証金納付後に執行されます。約束に反すれば必ず同じ処理になると丸暗記せず、96条の取消事由や保証金没取を確認します。保証金は罰金ではなく、出頭等を確保するための制度です。
区別して整理する
| 制度 | 確認点 |
|---|---|
| 権利保釈 | 請求と89条の除外事由 |
| 裁量保釈 | 90条の具体的な不利益・危険 |
| 勾留取消し | 87条の勾留理由・必要の消滅 |
学習用の設例
学習用設例:起訴後に勾留されているAは、保釈請求に対し、関係者へ連絡できることが問題とされています。A側は接触を避ける具体策と入院治療の必要性を示しました。
まず起訴後の被告人であることを確認し、89条4号の相当な理由を事実から検討します。同号に該当するとしても結論を終えず、90条で危険の程度、条件による対応、治療等の不利益を検討します。提示された事情だけで許可を断定せず、勾留取消しの理由があるかは別に述べます。
確認問題
解答・解説:いいえ。権利保釈の除外と裁量保釈は別の判断です。90条の考慮事情を当てはめます。
答案に使う順序
- 保釈を検討できる時点を確かめる
- 89条の除外事由と90条の判断を分ける
- 起訴前に保釈を使わない
- 権利保釈の除外を裁量保釈の絶対禁止にしない
よくある質問
学習時に混同しやすい点は何ですか。
起訴前に保釈を使わない。権利保釈の除外を裁量保釈の絶対禁止にしない。