Law Article
刑事訴訟法90条|裁量保釈の危険と拘束継続の不利益
逃亡・罪証隠滅のおそれと、身体拘束による健康・経済・生活・防御準備上の不利益を照らし合わせる裁量保釈の規定を読みます。
条文
刑事訴訟法 第90条
第九十条 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。
条文の読み方と具体例
【何を判断するか】裁判所は、適当と認めるときは職権で保釈を許すことができます。89条の権利保釈から除外された場合にも、90条の裁量保釈を別に考えます。起訴前には保釈制度がないことは、90条を使えば変わるという関係ではありません。 【比較する事情】条文は、逃亡又は罪証隠滅のおそれの程度のほか、拘束継続による健康上、経済上、社会生活上、防御準備上の不利益の程度その他の事情を挙げています。仕事がある、病気があるという一つのラベルだけで自動的に許可・不許可にせず、必要な治療や生活への影響の具体性と、危険の程度を示します。 【学習用設例】Aについて証人への働きかけが懸念されていますが、入院治療を要する事情もあります。証人との関係、可能な接触、資料の確保状況、治療の必要性、93条の条件による対応などを検討し、危険と不利益を比較します。 【別の制度との境界】勾留の理由・必要そのものがなくなれば87条の取消しを考えます。保釈許可決定と保証金納付後の執行も別です。確認問題:治療の必要が示されれば必ず裁量保釈となるか。答え:他の考慮事情も含めた具体的な判断を要します。
2026年10月28日時点の施行版で確認。出典の法令には未施行の改正が表示されることがあるため、適用する時点を確認してください。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月28日