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剰余金配当と分配可能額|決議があっても配当できない場合

剰余金配当では、配当を決める機関と、会社財産を社外へ出せる限度を別々に確認します。分配可能額は債権者保護のための上限であり、現預金残高や当期純利益と同じ数字ではありません。

更新日: 2026年10月25日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

剰余金配当では、配当を決める機関と、会社財産を社外へ出せる限度を別々に確認します。分配可能額は債権者保護のための上限であり、現預金残高や当期純利益と同じ数字ではありません。

到達目標

  • ✓配当内容、決定機関、効力発生日を特定する。
  • ✓効力発生日の分配可能額と交付財産の帳簿価額を比較する。
  • ✓違法配当と後日の欠損を分け、責任を負う者を条文ごとに確認する。

ひっかけポイント

  • !株主総会の決議が適法であることと、配当の財源規制を満たすことは別です。また、会社が銀行借入れで現金を増やしても、負債も増えるため、その現金額がそのまま分配可能額を増やすわけではありません。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

剰余金配当では、配当を決める機関と、会社財産を社外へ出せる限度を別々に確認します。分配可能額は債権者保護のための上限であり、現預金残高や当期純利益と同じ数字ではありません。

仕組みと条文の読み方

454条は、配当財産の種類・帳簿価額の総額、株主への割当て、効力発生日などを定めます。原則的な株主総会決議のほか、機関設計や定款の定めによる459条等の特則があります。中間配当の定款規定があるから、いつでも何度でも取締役会だけで配当できると一般化しないようにします。

461条では、配当により株主へ交付する金銭等の帳簿価額の総額は、効力発生日の分配可能額を超えてはならないとされます。剰余金を基礎とし、自己株式の帳簿価額など法令上の調整を反映するため、計算書類の利益剰余金をそのまま配当上限とみることはできません。純資産額が300万円を下回る場合の458条の制限も別に確認します。

分配可能額を超える配当では462条による金銭支払義務が問題になります。受領した株主、業務執行者等で責任の成立や免責の扱いが同一とは限りません。誰がどの地位で受領又は配当手続に関与したかを分け、株主が善意だったことだけで当然に返還義務が消えると処理しないことが重要です。

分配時には適法だったのに、その事業年度末に欠損が生じた場面は465条の問題です。分配時点で461条に違反した場面と、後日の欠損について業務執行者等の責任を問う場面では、判定時点と条文が異なります。配当を受けた株主の地位と経営者の任務懈怠責任も一括りにしません。

事例を検討する順番

  1. 配当内容、決定機関、効力発生日を特定する。
  2. 効力発生日の分配可能額と交付財産の帳簿価額を比較する。
  3. 違法配当と後日の欠損を分け、責任を負う者を条文ごとに確認する。

具体例に当てはめる

A社に現金1億円があっても、効力発生日の分配可能額が2,000万円なら、現金が十分という理由だけで3,000万円を配当できません。株主総会が全員一致で可決していても、債権者保護のための財源規制は別に適用されます。どの数字を基準にしたかを示して違反を判断します。

似た制度との違い

株主総会の決議が適法であることと、配当の財源規制を満たすことは別です。また、会社が銀行借入れで現金を増やしても、負債も増えるため、その現金額がそのまま分配可能額を増やすわけではありません。

確認問題

解答・解説:適法にはなりません。461条の上限は、現金の有無や株主全員の同意とは別に満たす必要があります。効力発生日の分配可能額と交付財産の帳簿価額を比較します。

根拠条文

よくある質問

会社の預金残高が配当総額を上回り、株主全員が賛成していれば、分配可能額を超える配当も適法か。

適法にはなりません。461条の上限は、現金の有無や株主全員の同意とは別に満たす必要があります。効力発生日の分配可能額と交付財産の帳簿価額を比較します。

答案・記述式での使い方

配当決議の権限・内容を示してから、461条の基準額と事例の配当額を比較します。違反があれば462条、後日の欠損であれば465条を選び、受領者と手続関与者の責任を分けて結論を導きます。

次にやること

この論点は単独で暗記するより、条文・判例・関連論点とつなげて読むと定着しやすくなります。