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聴聞と弁明の機会の付与の違い

不利益処分の前には、原則として意見を述べる手続が必要です。許認可の取消し等には聴聞、それ以外には弁明の機会の付与が基本となります。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

30秒でわかる結論

不利益処分の前には、原則として意見を述べる手続が必要です。許認可の取消し等には聴聞、それ以外には弁明の機会の付与が基本となります。

到達目標

  • ✓聴聞と弁明を処分の性質に応じて選ぶ
  • ✓手続保障と省略例外を説明する

ひっかけポイント

  • !不利益処分ならすべて聴聞が必要と考える。
  • !聴聞の権利保障が弁明にもすべて当然に及ぶとする。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

聴聞と弁明の機会の付与の基本

行政手続法13条は、不利益処分を受ける者に防御の機会を与えるため、聴聞と弁明の機会の付与を使い分けています。聴聞は主宰者の下で口頭審理を行い、主張・証拠の提出や質問等を通じて意見を述べる手続です。弁明は原則として弁明書の提出によりますが、行政庁が口頭によることを認める場合もあります。

具体例で考える

Aの営業許可を取り消す処分では、原則として聴聞が必要です。他方、営業停止命令などは、処分の種類や法令上の定めを確認し、弁明の機会の付与が基本となるかを判断します。相手方が希望したという理由だけで、必ず聴聞に変更されるわけではありません。

判断するときの順序

  1. 予定される行為が不利益処分に当たり、行政手続法が適用されるかを確認する。
  2. 許認可取消しや資格・地位の直接剥奪等の13条1項1号に当たれば聴聞、それ以外は弁明を原則として選ぶ。
  3. 緊急時等の手続省略事由や個別法の特則を確認し、通知・資料閲覧・意見提出等の具体的保障を検討する。

例外・関連制度との区別

聴聞での文書等の閲覧請求や主宰者の制度を、そのまま弁明に持ち込むことはできません。弁明の手続に聴聞の規定のすべてが準用されるわけではないためです。また、聴聞を経ても処分時の理由提示が不要になるわけではなく、事前の参加と最終判断の説明は役割が異なります。

確認問題

解答・解説:誤りです。原則は弁明書による書面提出です。行政庁が口頭によることを認めた場合には口頭で行えます。

よくある質問

緊急の場合でも意見聴取を省略できませんか。

13条2項に例外が定められています。公益上緊急に不利益処分をする必要があり、手続をとれない場合など、具体的要件を確認します。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

不利益処分の前に必要な意見陳述の手続を選びます。許認可の取消しなど重大な処分には原則として聴聞、それ以外には弁明の機会の付与が用いられます。

  1. 13条1項の処分類型に当てはめ、同条2項の適用除外も確認する。
  2. 聴聞なら予定処分・根拠条項・原因事実・期日場所等を相当の期間を置いて通知する。
  3. 資料閲覧、意見・証拠提出、報告書と調書の参酌など、選んだ手続の保障を確認する。
効果
聴聞では主宰者が審理し、調書・報告書を作成します。処分庁はそれらを十分参酌して決定します。弁明は原則書面で、行政庁が認めた場合は口頭でも行えます。
例外・注意点
公益上緊急に処分する必要があり、手続を執れない場合など、13条2項に例外があります。また、名称が営業停止でも、資格・地位の直接剥奪など法定の聴聞類型に当たるかは別途確認します。
取消しと営業停止との比較
許可の取消しは原則聴聞です。単なる一定期間の営業停止は通常弁明の対象ですが、行政庁が相当と認めれば聴聞を行うこともあります。

事例で考える

Aの許可を取り消す予定の行政庁が、原因事実を通知せず「明日までに反省文を出すように」とだけ伝えました。緊急の事情はありません。

この対応で通常必要な手続を満たせますか。

答えと理由を見る

満たせません。原則として聴聞の手続が必要です。

許可取消しは13条1項1号の類型です。書面提出を求めただけでは足りず、相当期間を置いた通知、聴聞期日での意見・証拠提出などを保障します。

自分の言葉で説明する

聴聞主宰者の報告書に、処分庁は必ず従わなければなりませんか。

説明例を見る

報告書が処分庁の判断をそのまま法的に拘束するとはいえません。ただし調書と報告書の意見を十分に参酌しなければならず、無視してよいわけではありません。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
許可取消しに先立つ意見陳述手続は適切か。
判断の基準
許可取消しには13条により原則聴聞を要し、15条以下の通知・審理保障を満たす必要がある。
事実へのあてはめ
緊急の事情はなく、原因事実も期日も示さず反省文の提出のみ求めているため、聴聞の保障を満たさない。
結論
通常必要な聴聞を欠く手続上の違法が問題となる。

覚えておきたい問い

許可取消しの前に、通常どの手続と通知が必要ですか。

答えを確かめる

原則聴聞を行い、相当期間を置いて予定処分、根拠条項、原因事実、期日・場所などを通知します。

保存した内容を見る

聴聞では、当事者はどのような準備・反論ができますか。

答えを確かめる

原因事実を証する資料の閲覧を求め、期日に意見・証拠を提出できます。正当な理由がない限り閲覧を拒めないなどの保障があります。

保存した内容を見る

聴聞後、処分庁は調書・報告書をどう扱いますか。

答えを確かめる

処分を決める際に、調書の内容と報告書に記された主宰者の意見を十分に参酌します。

保存した内容を見る

弁明の方法と事前通知の要点は何ですか。

答えを確かめる

原則は期限までの弁明書提出で、行政庁が認めれば口頭も可能です。予定処分、根拠、原因事実、提出先と期限等を通知します。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

処分名だけを暗記せず、権利・資格を奪う処分なのかを条文に照らして確認します。手続違反の答案では「聴聞をしなかった」と結論を急がず、必要な手続と省略例外の有無を明示します。

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