制度の役割と対象
民事訴訟法61条は、訴訟費用を敗訴当事者の負担とする原則を定めます。62条以下の例外や一部敗訴の場合を合わせて読み、誰が負担するかと金額をどう確定するかを区別します。訴訟のために支出した全ての費用が、そのまま相手へ請求できるわけではありません。
判断の手順
- どの請求について誰がどの範囲で敗訴したかを確認する。
- 61条の原則と62条以下の例外・配分を検討する。
- 費用負担の裁判と71条の費用額確定を区別する。
- 弁護士費用や損害賠償請求との関係を別に整理する。
独自設例
【学習用設例】Aは100万円を請求し、判決で40万円だけ認められました。Aは「一部でも勝ったので、自分が支払った弁護士費用を含め全額をBが負担する」と主張しています。
当てはめと結論
一部敗訴の場合には64条による裁判所の配分等を確認します。費用負担の裁判がされても、相手へ償還を求める具体額は71条等の手続で確定する場面があります。また、法令上の訴訟費用と弁護士報酬を同一視できません。不法行為等に基づく損害としての弁護士費用相当額を請求する問題は、別の実体法上の検討です。
混同しやすい点と限界
勝訴者にも費用を負担させることがあるため、61条だけを読んで機械的に全額負担としないようにします。和解で費用をどう扱うかも判決の場合とは区別します。
答案での使い方
勝敗と範囲、負担の原則・例外、額の確定を分けます。訴訟救助を受けていたという事情があれば、支払猶予と最終負担の関係を追加して検討します。
確認問題
解答・解説:いいえ。法令上の訴訟費用の範囲を確認します。弁護士費用相当額を損害として請求する問題とも区別します。