制限行為能力者の行為は、すべて無効になるわけではありません。未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人で保護の範囲を分け、同意の要否と取消しの可否を判断します。
制度と判断の出発点
未成年者は原則として法定代理人の同意を得て法律行為をします。民法5条は、同意を欠く行為を取り消せるとする一方、単に権利を得たり義務を免れたりする行為を同意の対象から外しています。自由な処分を許された財産や、許可された営業にも別の規定があります。
成年被後見人には日用品の購入その他日常生活に関する行為の例外があります。被保佐人は13条所定の重要な行為等、被補助人は審判で定められた行為について同意が問題となります。行為時に意思能力がなかった場合の無効は、これらの取消しとは別に検討します。
事例で確認する順番
- 行為時の年齢・審判の有無と、行為の具体的内容を確かめる。
- 同意が必要な行為か、日常生活等の例外に当たるかを判断する。
- 同意の有無、取消権者、詐術や追認の有無を分けて結論を書く。
具体例で考える
17歳のAが親の同意なく高額な楽器を購入した場合、5条による取消しが問題となります。無償で贈与を受ける場面でも、負担付きで義務を引き受けるなら、単に権利を得る行為だとは直ちにいえません。価格や契約上の義務まで確認します。
区別しておきたい点
成年年齢は18歳です。未成年だから当然に無効、保護者が後から反対したから当然に取消し、とは扱いません。また、相手方が善意だったという事情だけで取消しを一律に否定する制度でもありません。
確認問題
解答・解説:いいえ。5条の基本的な効果は取消しができることです。同意の不要な行為もあるため、行為の内容を確認した上で、無効と取消しを使い分けます。
根拠条文・判例
よくある質問
未成年者が法定代理人の同意なくした契約は、常に初めから無効ですか。
いいえ。5条の基本的な効果は取消しができることです。同意の不要な行為もあるため、行為の内容を確認した上で、無効と取消しを使い分けます。