完成猶予は時効の完成を一定期間止め、更新はそれまでの期間を引き継がず新たな進行を始める仕組みです。裁判上の請求、催告、権利の承認では生じる効果が異なります。
制度と判断の出発点
裁判上の請求等について147条は、手続中等に時効が完成しないことと、確定判決等で権利が確定したときに更新することを分けて定めています。訴えを取り下げた場合など、権利が確定せずに手続が終了するときは、終了から6か月の完成猶予が問題となります。
催告は150条により6か月の完成猶予をもたらしますが、それだけで更新するわけではありません。猶予期間中に再び催告しても、重ねて同じ猶予を得ることはできません。権利の承認による152条の更新とは、要件と効果の両方を区別します。
事例で確認する順番
- どの権利の時効が、いつ完成する予定だったかを確認する。
- 時系列に請求・手続終了・承認等を置き、各条文の効果を当てはめる。
- 完成しない期間と、新たな進行が始まる時点を具体的な日付で示す。
具体例で考える
消滅時効の完成直前に債権者が催告した場合、催告から6か月は完成しません。その間に催告を繰り返すだけで期間を延ばし続けることはできず、裁判上の請求等の別の事由があるかを確認します。内容証明という形式だけで更新が生じるわけでもありません。
区別しておきたい点
旧法の「中断」「停止」を、現行法のどちらか一方に機械的に置き換えると誤ります。対象の権利に適用される法令・経過措置を確認し、現行147条・150条・152条の効果をそれぞれ読みます。
確認問題
解答・解説:150条2項により、催告による完成猶予中の再度の催告には同じ猶予の効力がありません。最初の催告を起点に、その後の裁判上の請求や承認などを検討します。
根拠条文・判例
よくある質問
催告から5か月後にもう一度催告すれば、その日からさらに6か月の完成猶予を得られますか。
150条2項により、催告による完成猶予中の再度の催告には同じ猶予の効力がありません。最初の催告を起点に、その後の裁判上の請求や承認などを検討します。