報道の自由と、そのための取材活動の自由は関連しますが、保障の説明と制約の判断を分けます。取材資料の提出や取材源の秘匿が問題となる場合は、報道への影響と手続上の必要性を具体化します。
制度と判断の出発点
報道は国民が公的な問題を判断するための情報を伝える役割を持ち、表現の自由に関わります。その前提となる取材の自由も、報道のために重要な利益として扱われます。ただし、取材目的を掲げれば、他人の権利を侵害する方法まで一律に正当化されるわけではありません。
裁判で取材資料の提出が求められる場面では、公正な裁判や証拠確保の必要性と、将来の取材が困難になる不利益を整理します。取材源の秘匿、未公表資料、既に公開した映像でも事情は異なります。報道機関の利益だけでなく、情報提供者や公衆の利益にも着目します。
事例で確認する順番
- 制限の対象が取材方法、取材源、資料提出、記事公表のどれかを確認する。
- 報道・取材に与える具体的な支障と、制限を求める側の必要性を示す。
- 代替手段や資料の性質を踏まえ、事案に即して利益を調整する。
具体例で考える
取材中に作成した未公表の記録を証拠として提出するよう求められた場合、記録が裁判にどの程度必要か、他の証拠があるか、情報源との信頼関係に何が起きるかを分けて考えます。報道機関が持つ資料というだけで、当然に提出不要とも提出義務があるとも断定しません。
区別しておきたい点
取材・報道の自由と、名誉侵害を理由とする出版の事前差止めは異なる場面です。また、法令上の証言拒絶等が問題となるときは、その条文の要件を省いて憲法論だけで解決しないようにします。
確認問題
解答・解説:一律には外れません。取材に与える不利益と公正な裁判の必要性、資料の内容や代替証拠等を具体的に検討し、適用される手続法の要件と結び付けます。
根拠条文・判例
よくある質問
取材の自由が重要であることから、取材資料はどのような裁判でも提出対象から外れますか。
一律には外れません。取材に与える不利益と公正な裁判の必要性、資料の内容や代替証拠等を具体的に検討し、適用される手続法の要件と結び付けます。