Case Brief
博多駅テレビフィルム提出命令事件|取材の自由と証拠
博多駅テレビフィルム提出命令事件について、事案・争点・判断・射程を整理します。判決の結論を丸暗記せず、どの事実が判断を分けるかを具体例と確認問題から学べます。
更新日: 2026年10月24日
裁判所
最高裁判所大法廷
判決日
1969-11-26
引用
刑集 第23巻11号1490頁(昭和44(し)68)
判旨・学習上の位置づけ
事案:博多駅で起きた事件を撮影したテレビ放送局の取材フィルムについて、裁判所が証拠として提出を命じたため、放送局側が報道・取材の自由への侵害を主張して争いました。 争点:報道の自由と、それを支える取材の自由がどのように保護されるか。また、公正な刑事裁判に必要な証拠の確保のため、取材資料の提出を求められるかが争点です。 判断:最高裁は、事実の報道の自由を憲法21条の保障の下に位置付け、報道のための取材の自由も十分尊重に値するとしました。その上で、取材資料が刑事裁判の証拠として必要な場面では、犯罪の性質、証拠としての価値・必要性、報道機関への不利益や将来の取材への影響などを比較衡量します。本件ではフィルム提出命令を是認しました。報道の自由は憲法21条の保障の下にあり、取材の自由は同条の精神に照らして十分尊重に値すると述べた、両者の表現の違いにも注意します。
射程
取材資料は常に提出不要、又は裁判所が求めれば常に提出義務があるという両極の整理は不正確です。何の事件でどの映像が必要とされ、取材側にどのような負担があるかを具体化します。 具体例:未放送の映像を捜査・裁判へ提供すると、取材協力者との関係に影響することがあります。その不利益と証拠の代替可能性を挙げ、単に公益という語で処理しないことが判断の練習になります。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月24日