逮捕するための被疑者捜索と、逮捕の現場での証拠捜索を区別します。刑訴220条の無令状処分について、逮捕の適法性、現場、必要性から検討します。
220条1項の二つの処分を区別する
1号は、逮捕のために住居等へ入って被疑者を探す処分です。2号は逮捕の現場で差押え・捜索・検証をする処分です。1号で室内へ入れたことから、家全体の証拠捜索まで当然に認められるわけではありません。誰を探しているのか、何を探しているのかをまず特定します。
適法な逮捕と現場とのつながりを確認する
220条は通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の場合の必要な処分を規定します。証拠を探す口実として違法に逮捕してよいという制度ではありません。2号では逮捕の現場と評価できるかが重要です。単に同じ被疑者の所有物であるだけで、離れた別の住所まで一律に対象とする説明はできません。時間的・場所的な関係と必要性を具体的な事実から示します。
無令状でも手続と限界は残る
3項は1項の処分に令状を要しないとしますが、対象や方法の限界まで消しません。222条の準用も確認します。緊急逮捕の際の処分について、後に逮捕状が得られなかったときは、220条2項により差押物を直ちに還付しなければなりません。後日の令状が無ければ、どの差押えでも同じ扱いになると広げないことが大切です。
区別して整理する
| 処分 | 対象と注意 |
|---|---|
| 1項1号 | 逮捕のため住居等で被疑者を捜索 |
| 1項2号 | 逮捕の現場で必要な差押え・捜索・検証 |
| 218条の令状捜索 | 220条に当たらない場面では別に検討 |
学習用の設例
学習用設例:路上でAを適法に現行犯逮捕しました。捜査官は逮捕現場のAの所持品を調べた後、数キロ離れたA宅へ向かい、同じ220条を根拠に証拠を探そうとしました。
逮捕の適法性を前提にしても、所持品について必要性と現場との関係を確認します。離れたA宅は、同じ被疑者の自宅というだけでは逮捕の現場といえません。令状による捜索等の別の根拠が必要かを検討し、逮捕後であることだけを理由に無令状処分を正当化しません。
確認問題
解答・解説:いいえ。1号の被疑者捜索と2号の逮捕現場における証拠捜索を区別し、各条件を確認します。
答案に使う順序
- 220条1項の二つの処分を区別する
- 適法な逮捕と現場とのつながりを確認する
- 被疑者捜索と証拠捜索を分ける
- 逮捕後というだけで場所を無制限にしない
よくある質問
学習時に混同しやすい点は何ですか。
被疑者捜索と証拠捜索を分ける。逮捕後というだけで場所を無制限にしない。