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現行犯逮捕・準現行犯逮捕|刑訴法212条・213条の判断

現に犯罪を行い、又は行い終わった者は、令状によらず逮捕できる場合があります。犯罪・犯人の明白性、時間的接着性、準現行犯の列挙要件、軽微事件の制限を順に確認します。

更新日: 2026年10月22日著者: LavaLex編集部

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30秒でわかる結論

現に犯罪を行い、又は行い終わった者は、令状によらず逮捕できる場合があります。犯罪・犯人の明白性、時間的接着性、準現行犯の列挙要件、軽微事件の制限を順に確認します。

到達目標

  • ✓212条1項の現行犯か、2項の準現行犯かを区別する。
  • ✓213条の無令状逮捕と、217条の軽微事件の制限、私人による逮捕後の引渡しを確認する。
  • ✓具体例について、要件に対応する事実を挙げて結論を説明する。

ひっかけポイント

  • !誰でも現行犯逮捕ができるという213条と、逮捕に必要な限度を超える実力行使が許されないことは両立します。私人が逮捕した場合は直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡す必要があります。

試験別重要度

S/A/B/Cは、各試験での学習優先度を示す目安です。出題年度や個別の学習状況に応じて補助的に使ってください。

現に犯罪を行い、又は行い終わった者は、令状によらず逮捕できる場合があります。犯罪・犯人の明白性、時間的接着性、準現行犯の列挙要件、軽微事件の制限を順に確認します。

制度の基本と判断の出発点

刑事訴訟法212条1項は、現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を現行犯人とします。令状による事前審査なしに身体を拘束する例外なので、犯罪と犯人が明白であり、犯行との時間的・場所的なつながりを認められるかを具体的に検討します。

2項は、犯人として追呼されている、犯罪に用いたと思われる物を所持している等の列挙事由があり、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる者を現行犯人とみなします。列挙事由の一つがあるだけで、時間的要件が不要になるものではありません。

事例で確認する順番

  1. 212条1項の現行犯か、2項の準現行犯かを区別する。
  2. 犯罪・犯人の明白性、犯行からの時間、列挙事由を事実に対応させる。
  3. 213条の無令状逮捕と、217条の軽微事件の制限、私人による逮捕後の引渡しを確認する。

具体例で考える

犯行直後に被害者から追いかけられ、盗まれた物を所持する者を見つけた場合、212条2項の要件を検討します。同じ物を数日後に所持していたというだけでは、「罪を行い終わってから間がない」との要件を当然に満たすとはいえません。

例外・区別しておくこと

誰でも現行犯逮捕ができるという213条と、逮捕に必要な限度を超える実力行使が許されないことは両立します。私人が逮捕した場合は直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡す必要があります。

確認問題

解答・解説:それだけではなりません。列挙事由に加え、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる必要があります。物の所持と時間的接着性を分けて当てはめます。

根拠条文・参考資料

よくある質問

犯人と思われる物を持っていれば、犯行から長い時間が経過しても212条2項の準現行犯になりますか。

それだけではなりません。列挙事由に加え、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる必要があります。物の所持と時間的接着性を分けて当てはめます。

例題で確かめる

まず自分で答えてから、解説を開いて確かめてください。下の確認カードは、内容を見直して自分の復習に保存できます。

最初に押さえること

現行犯逮捕では、犯罪と犯人の明白性に加えて犯行との時間的接着性を確認します。準現行犯は212条2項各号の外形だけでなく、犯行直後と明らかに認められることが必要です。

  1. 現行犯人は、現に罪を行っている者又は現に行い終わった者。
  2. 準現行犯では追呼・贓物等の所持・顕著な証跡・誰何されての逃走のいずれかと、犯行後間がないことの明白性を確認する。
  3. 私人も逮捕できるが、逮捕後は直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡す。軽微犯罪には217条の制限がある。
効果
私人の逮捕であっても、法定の要件を満たして初めて令状なしの身柄拘束が認められます。独自の取調べのために長時間留め置く制度ではありません。
例外・注意点
30万円以下の罰金・拘留・科料に当たる軽微犯罪(罰金額には法定の特例あり)では、住居・氏名が明らかでないか、逃亡のおそれがある場合に限り現行犯逮捕ができます。
現行犯と準現行犯との比較
現行犯は犯行又は犯行直後を直接捉える類型、準現行犯は法定の外形から犯行直後と明らかな者を現行犯人とみなす類型です。単に逃げたという事実だけでは足りません。

事例で考える

店員Aは、目の前で商品を持って会計せず出たBをすぐ追い、店頭で取り押さえた。警察へ連絡したが、「謝罪文を書くまで帰さない」として半日間事務室に留めようとした。

逮捕できることから、半日の留置も認められるか。

答えと理由を見る

認められません。逮捕の要件を満たしても、私人には直ちに捜査機関へ引き渡す義務があります。

目撃と連続した追跡は現行犯の判断を基礎付けます。しかし214条は直ちに引き渡すことを求め、謝罪の獲得を目的とする拘束を授権していません。

自分の言葉で説明する

翌日、呼び止められて逃げた人を、それだけで準現行犯逮捕できるか。

説明例を見る

できません。誰何されて逃走しようとする外形に加え、犯罪を行い終わってから間がないことが明らかである必要があります。翌日という事情はその時間的接着性を弱めます。

答案にするときの書き方

上の事例に対する短い記述例です。実際の答案では、設問に応じて他の要件や反対事情も検討します。

争点
私人による現行犯逮捕後、謝罪文を得るため留置できるか。
判断の基準
現行犯人は何人でも逮捕できるが、私人は逮捕後直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡さなければならない。
事実へのあてはめ
犯行の目撃と直後の追跡は現行犯性を支える。一方、謝罪文を書くまで半日留置するのは引渡しのために必要な時間ではない。
結論
逮捕自体と、その後の留置の適法性は分けるべきで、謝罪目的の長時間拘束は認められない。

覚えておきたい問い

私人も現行犯逮捕できるか。逮捕後はどうするか。

答えを確かめる

要件を満たす現行犯人は私人も令状なく逮捕できます。私人は直ちに検察官又は司法警察職員へ引き渡さなければなりません。

保存した内容を見る

準現行犯逮捕で212条2項の各号に当たる外形さえあれば十分か。

答えを確かめる

不十分です。各号の外形に加え、犯罪を行い終わってから間がないと明らかに認められることが必要です。

保存した内容を見る

答案・記述式での使い方

まず212条のどの項・号を適用するかを示し、犯行時刻、発見時刻、場所、所持品等を順に当てはめます。「怪しいから現行犯」と結論だけを書かず、無令状逮捕の例外要件を明らかにします。

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