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判例解説

明示的一部請求と既判力|残部へ及ばない原則

一個の金銭債権のうち、数量的な一部だけについて判決を求めることを明示して訴えました。数量的な一部請求であることを明示して訴えた場合、その確定判決の既判力は残部の請求に及ばないとされました。

更新日: 2026年10月27日
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
1962年8月10日
出典
民集 第16巻8号1720頁
事件番号・裁判種別
昭和35(オ)359・判決

何が起きたか

一個の金銭債権のうち、数量的な一部だけについて判決を求めることを明示して訴えました。確定判決の既判力が、請求しなかった残りにも及ぶかが問題です。

  • 数量的な一部であると明示したこと
  • 判決で求めた対象と残部の区別

何が問題になったか

確定判決の既判力が、請求しなかった残りにも及ぶかが問題です。

裁判所の判断と理由

数量的な一部請求であることを明示して訴えた場合、その確定判決の既判力は残部の請求に及ばないとされました。

裁判所へ何についての判決を求めたかが範囲を決めます。一つの債権に由来するというだけで、まだ裁判の対象としなかった残部まで当然に確定するわけではありません。

判決本文・裁判要旨で確かめる

裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。

この判例が当てはまる範囲

残部を後から訴えれば必ず適法・認容という意味ではありません。敗訴後の残部請求についての信義則の判例と、既判力の範囲を区別します。

事実を変えて考える

以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。

明示的一部請求で敗訴した後の残部請求について、既判力が及ばないことだけで問題は終わりますか。

終わりません。別の判例で問題とされた信義則上の制限等を検討します。既判力と訴訟の濫用に関する評価は別です。

答案・学習での使い方

検討の出発点は「数量的な一部であると明示したこと」です。次に「判決で求めた対象と残部の区別」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。

関連判例との違いを読む

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月28日

3問で理解を確かめる

本文を見ずに答えてみましょう。記述問題は模範解答と確認項目を読んで、自分で振り返ります。採点結果は学習成績には自動反映されません。解説を確認した問題は、ログイン後に復習ノートや確認カードへ保存できます。

問1・選択問題

明示的一部請求と既判力について、判断の説明として適切なものを選んでください。

問2・記述問題(自己確認)

明示的一部請求と既判力で重要な二つの事情を挙げ、判断との関係を説明してください。

問3・記述問題(自己確認)

事実を変えて考える:明示的一部請求で敗訴した後の残部請求について、既判力が及ばないことだけで問題は終わりますか。

次に学ぶこと