Case Brief
別訴係属中の債権による相殺|重複起訴禁止の趣旨
ある債権の支払を別の訴訟で求めながら、同じ債権を他の訴訟で相殺の自働債権として主張しました。別訴で訴求中の債権を相殺の抗弁へ用いることが、重複起訴禁止の趣旨から許されるか。
更新日: 2026年10月26日
裁判所
最高裁判所第三小法廷
判決日
1991-12-17
引用
昭和62(オ)1385/民集 第45巻9号1435頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:ある債権の支払を別の訴訟で求めながら、同じ債権を他の訴訟で相殺の自働債権として主張しました。同一債権の存否が二つの手続で判断され、矛盾した判断が生じるおそれが問題になりました。 争点:別訴で訴求中の債権を相殺の抗弁へ用いることが、重複起訴禁止の趣旨から許されるか。 判断:裁判所が公表する裁判要旨は、次のとおりです。 「別訴において訴訟物となっている債権を自働債権として、相殺の抗弁を主張することは、許されない。」 読み方:相殺は常に独立訴訟と同じという一般論ではありません。相殺の判断に既判力が生じる範囲と、別訴との関係を確認します。確認問題:相殺なら訴訟物にならないため同じ債権をどこでも主張できるか。答え:いいえ。判断の抵触を防ぐ規律を検討します。
射程
相殺は常に独立訴訟と同じという一般論ではありません。相殺の判断に既判力が生じる範囲と、別訴との関係を確認します。確認問題:相殺なら訴訟物にならないため同じ債権をどこでも主張できるか。答え:いいえ。判断の抵触を防ぐ規律を検討します。両訴訟の係属と主張の時点も確認します。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月26日