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論点解説

訴えの却下と請求棄却の違い|訴訟要件と本案を事例で整理

訴えの却下は本案判断に入るための条件、請求棄却は請求に理由があるかの判断に関わります。当事者適格と権利の不存在、一部認容、判決後の扱いを整理します。

公開日: 2026年10月27日更新日: 2026年10月27日著者: LavaLex 編集部

「原告が負けた」という結果だけでは、却下と棄却は区別できません。裁判所が請求権の存否を判断したのか、それ以前の訴訟要件に問題があったのかを確認します。同じ売買代金請求でも、問題となる条件によって判断の段階が変わります。

違いを比較する

確認する点

訴えの却下

請求棄却

判断の局面

訴訟要件を満たすか

請求に理由があるかという本案

例

必要な確認の利益が認められない

主張立証責任を負う契約成立が認められない

権利の不存在との関係

通常、請求権がないとの本案判断そのものではない

請求権が認められないこと等による判断

次に読む事項

欠けた要件、補正の可否、判決の内容

判断された請求、確定、既判力の範囲

給付訴訟の当事者適格と請求権を分ける

Aが自分のBに対する売買代金請求権を主張する通常の給付訴訟では、契約の成立が認められるかは本案の問題です。契約を証明できなかったことを、そのままAの原告適格の欠缺へ言い換えません。他人の権利を自己の名で追及する場合等は、訴訟担当の根拠などを別に確認します。

一部だけ理由がある場合

Aが100万円を請求し、そのうち60万円だけに理由があるなら、通常は60万円を認容し、残り40万円の請求を棄却することができます。246条が制限するのは申立てを超える判決であり、一部認容を一般的に禁じるものではありません。請求額の全額を認めるか全部否定するかの二択ではありません。

事例で区別する

AがBに代金100万円を求めたところ、契約成立の証明ができず、ほかに請求を基礎付ける事情もありません。この場合は、通常、原告適格がないとして訴えを却下するのではなく、請求に理由がないとして棄却する問題です。

条件が変わったら

Aが権利の確認を求めたものの、確認判決で除くべき具体的な法的不安がなく、確認の利益を欠くなら、訴訟要件の問題となります。補正や他の訴えの可能性は、欠けた要件と紛争の内容に即して検討します。

混同しやすい点

  • 「証明できない」と「当事者適格がない」を一律に結び付けない。

  • 判決理由から、どの条件が否定されたかを特定する。

  • 却下ならいつでも自由に再訴できる、という一般化もしない。

確認3問

問1 契約成立を証明できないことは、通常の自己の権利に基づく給付訴訟で原告適格の欠缺ですか。

問2 100万円請求のうち60万円を認める判決は可能ですか。

問3 確認の利益を欠く場合は、権利不存在の本案判断と同じですか。

解答と理由

問1の解答

通常は本案の問題です。請求権の発生要件が認められるかを判断します。

問2の解答

通常は可能です。数量的な一部認容と残部棄却は、申立ての範囲内でできます。

問3の解答

同じではありません。確認の利益は確認訴訟の訴訟要件として検討します。

法令確認日:2026年10月27日。事例と確認問題は学習用に作成したものです。具体的な事件では適用時点や経過措置も確認してください。

参考資料

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