裁判所での合意と訴訟終了の関係、267条の電子調書の効力を整理します。和解の内容が履行されない場合と、成立・有効性自体を争う場合を区別します。
裁判上の合意と裁判外の契約を区別する
訴訟上の和解では、係属する紛争について当事者が合意し、その内容を裁判手続で明確にします。判決のように裁判所が請求の当否を判断して結論を命じる方法とは異なります。民法695条の和解契約も参照できますが、裁判外で当事者だけが交わした示談が、そのまま267条の効力を持つわけではありません。
267条の文言と効果を確認する
現行267条は、裁判所書記官が和解等について電子調書を作成してファイルに記録したとき、その記録が確定判決と同一の効力を有するとします。旧来の紙の調書だけを前提に条文を引用しないようにします。訴訟の終了や、給付条項についての執行の基礎となる効力を考える一方、合意を全く必要としない制度と取り違えてはいけません。
不履行と無効の主張を分ける
相手方が合意した支払をしない場合は、和解条項の解釈や強制執行等の問題です。支払がないだけで当然に元の訴訟が再開するわけではありません。他方、意思表示の瑕疵や代理権の問題などから和解自体の有効性を争う場合は、どの瑕疵かを特定します。期日指定の申立て等により訴訟が終了したかを争う方法が問題となります。和解の既判力をめぐる議論を無視して「確定判決と同じだから一切争えない」と説明することはできません。
区別して整理する
| 状況 | 検討対象 |
|---|---|
| 有効な和解後の不払 | 合意した義務の履行・執行 |
| 和解の意思表示に瑕疵 | 成立・有効性と訴訟終了の有無 |
| 判決への不服 | 判決に対する上訴制度 |
学習用の設例
学習用設例:AとBは訴訟で「BはAに30万円を支払う」と和解し、電子調書が記録されました。Bは約束の日に支払わず、Aは直ちに元の請求について判決を求めました。
合意内容と電子調書の記録を確認し、和解によって訴訟が終了したかを考えます。不払はまず和解条項の履行の問題で、当然に元の訴訟を復活させる理由ではありません。無効を主張するなら、その具体的な瑕疵と、それを争う手続を別に説明します。
確認問題
解答・解説:いいえ。不履行と成立・有効性の瑕疵は別です。和解条項の履行と、和解自体を争う場合の根拠を区別します。
答案に使う順序
- 裁判上の合意と裁判外の契約を区別する
- 267条の文言と効果を確認する
- 不履行だけで元の訴訟を復活させない
- 現行の電子調書に関する文言を確認する
よくある質問
学習時に混同しやすい点は何ですか。
不履行だけで元の訴訟を復活させない。現行の電子調書に関する文言を確認する。