制度の役割と対象
民事訴訟で人の供述を証拠として調べる際には、証人尋問と当事者本人の尋問を区別します。民事訴訟法190条以下と207条以下が基礎です。当事者が準備書面で述べた主張と、本人尋問で得られる証拠資料も異なるため、立証のどの段階かを明確にします。
判断の手順
- 供述する人が当事者本人か第三者かを確認する。
- 証明対象となる事実と供述の認識根拠を特定する。
- 申出・職権、宣誓、尋問順序等の違いを確認する。
- 主張・自白の効力と、尋問結果の証拠評価を分ける。
独自設例
【学習用設例】貸金返還訴訟で、原告Aは「金を渡した」と準備書面で主張しました。裁判所はA本人と、受渡しを見た第三者Cを尋問しようとしています。
当てはめと結論
Aの書面による主張だけで、本人尋問を行ったことにはなりません。Aについては当事者本人の尋問、Cについては証人尋問として位置付けます。207条は本人尋問で宣誓させることができると定め、証人と本人の尋問を行う場合の順序も定めます。供述が得られても、利害関係や観察状況を含め、他の証拠と合わせて信用性を評価します。
混同しやすい点と限界
当事者本人だから必ず信用できない、証人だから必ず中立という評価はできません。供述者の立場と具体的な認識の根拠を分けて評価し、民事の本人尋問を刑事の被告人質問と混同しないようにします。
答案での使い方
主張された事実を誰のどの証拠で証明するかを示します。法的な自白の成立と、供述を証拠として採用・評価する場面も分けて記載します。
確認問題
解答・解説:いいえ。主張と証拠調べは別です。当事者本人の尋問をどの手続で行ったかを確認します。