制度の役割と対象
民事の上告と上告受理申立ては、最終審で争うための異なる入口です。民事訴訟法311条、312条、318条を基礎に、どの裁判所への申立てか、どの理由かを区別します。最高裁判所がもう一度全証拠を評価する通常の事実審である、という理解は適切ではありません。
判断の手順
- 不服を申し立てる原判決と上告裁判所を311条で確認する。
- 憲法違反や312条2項の事由があるかを検討する。
- 最高裁への法令解釈上の重要問題等は318条の入口を検討する。
- 単なる事実認定への不満と法的な上訴理由を区別する。
独自設例
【学習用設例】高裁判決に敗訴したAは、最高裁判例に反する契約解釈があると主張しています。Aは「法令違反なら全て312条による上告理由になる」と考えています。
当てはめと結論
最高裁への上告については312条1項・2項の理由を確認します。最高裁判例との抵触や法令解釈上の重要な事項は、318条の上告受理申立ての問題として検討します。他方、高裁を上告裁判所とする場合には312条3項があるので、全ての上告を同じ範囲と説明できません。問題となる裁判所と理由を対応させて整理します。
混同しやすい点と限界
上告受理申立てをすれば当然に受理されるわけではありません。また、318条2項により312条1項・2項の事由を受理申立ての理由とすることはできないため、二つの制度を区別します。
答案での使い方
上告裁判所、理由、受理の仕組みを順に示します。事実認定の不満を、どの規定に当たる法律問題として構成できるのかまで具体化します。
確認問題
解答・解説:必要です。312条の上告理由と318条の受理申立ての理由を区別し、適切な入口を検討します。