履行遅滞の開始時点は、債務の履行期の定め方によって異なります。確定期限、不確定期限、期限の定めがない場合を分け、請求の有無や債務者の認識を確認します。
制度と判断の出発点
確定期限のある債務は期限の到来時から遅滞の責任を負います。不確定期限のある債務では、期限到来後に請求を受けた時又は到来を知った時の早い方が基準です。期限の定めがない債務は履行の請求を受けた時から責任を負うのが412条の基本です。
遅滞の開始と、損害賠償・解除が認められるかは別の問題です。損害賠償では415条、解除では541条等を確認します。双務契約で相手方の履行が提供されていない場合は、同時履行の抗弁権が遅滞の判断に影響し得るため、双方の給付の関係を整理します。
事例で確認する順番
- 履行期の定めと、期限が到来した事実を確認する。
- 請求が到達した時点や、到来を知った時点を条文に対応させる。
- 遅滞の開始、損害賠償、解除の要件を分けて示す。
具体例で考える
「6月末に返す」という貸金債務と、「ある人が死亡した時に返す」という債務では、遅滞の始まり方が異なります。返済日を定めなかった貸金には貸借固有の返還時期の規律もあるため、412条の分類と契約類型に固有の規定の両方を確認します。
区別しておきたい点
債務が履行されていないというだけでは、遅滞、不能、契約不適合のいずれかは決まりません。遅滞が始まっても、直ちに無催告解除ができるとは限らず、救済手段ごとに要件を検討します。
確認問題
解答・解説:412条1項の基本は、期限が到来した時から遅滞の責任を負うことです。催告が必要となる場面を、期限の定めがない債務等や解除の要件と混同しないようにします。
根拠条文・判例
よくある質問
確定期限のある債務でも、債権者が催告するまで遅滞の責任は生じませんか。
412条1項の基本は、期限が到来した時から遅滞の責任を負うことです。催告が必要となる場面を、期限の定めがない債務等や解除の要件と混同しないようにします。