プライバシーの問題は、秘密が公表された場合に限りません。どの情報を、誰が、どの方法で取得・利用・提供したかを整理し、憲法上の保障と個人情報に関する法律上の規律を確認します。
制度と判断の出発点
私生活上の情報をみだりに公開されない利益と、情報を収集・利用される場面での利益は関連しますが、同じ問題ではありません。情報の性質、取得時の状況、利用目的、提供先の範囲によって、本人が受ける不利益や正当化の事情が変わります。
公権力による干渉を争う場合と、私人に対して差止めや損害賠償を求める場合では、請求の根拠や判断の構成が異なります。私人間では人格的利益の侵害と表現の自由等を調整し、民法上の要件に結び付けます。単に個人に関する情報だというだけで、あらゆる利用が違法になるわけではありません。
事例で確認する順番
- 情報の内容と、取得・保存・利用・提供・公表のどの段階かを特定する。
- 本人の同意、取得経緯、目的との関係、公開範囲を検討する。
- 公権力か私人かに応じて法的根拠を示し、必要な救済と結び付ける。
具体例で考える
講演会の参加者名簿を、本人へ説明しなかった目的で第三者に渡す場合を考えます。名簿が高度な秘密でないという点だけで検討を終えず、収集目的、本人の予測、提供の必要性を確かめます。他方、名誉毀損の問題では社会的評価の低下という別の要素も確認します。
区別しておきたい点
プライバシーと名誉、個人情報という法令上の概念は重なりながらも範囲が異なります。真実の情報でも私生活の公表が問題となる一方、情報が虚偽であるかという問題は別に整理します。
確認問題
解答・解説:否定されません。真実であることと、私生活上の情報を公表してよいことは別です。情報の性質、公表目的、必要性、公開による不利益等を具体的に検討します。
根拠条文・判例
よくある質問
公表された内容が真実なら、プライバシー侵害は常に否定されますか。
否定されません。真実であることと、私生活上の情報を公表してよいことは別です。情報の性質、公表目的、必要性、公開による不利益等を具体的に検討します。