制度の役割と対象
証人尋問では、体験した事実の内容と、その供述を信用できるかを法廷で確かめます。刑事訴訟法143条、157条、304条と憲法37条2項を基礎に、立会い・尋問の機会を整理します。供述調書を読むことと、証人に質問して知覚・記憶・表現の過程を確かめることは異なります。
判断の手順
- 証人が何を直接体験し、どの事実を証明するのかを特定する。
- 請求した側の尋問と相手方の尋問の役割を分ける。
- 見聞きした条件、記憶の経過、利害関係を具体的に確かめる。
- 尋問機会の保障と、伝聞例外等の証拠能力を別々に検討する。
独自設例
【学習用設例】夜間の目撃者Aは「犯人の顔を見た」と証言します。弁護人は、街灯の位置、距離、見ていた時間について質問しようとしています。
当てはめと結論
反対尋問は、単に相手を非難するための手続ではありません。暗さ、距離、遮蔽物、事前に見た写真等を確認すると、顔を識別できたという供述の根拠を検証できます。供述の食い違いがあっても直ちに虚偽とは限らず、食い違いの内容が識別の核心に関わるかを評価します。尋問の順序等は304条と規則に従い、法廷の訴訟指揮の下で進めます。
混同しやすい点と限界
「反対尋問できなかったから全て無効」「調書があるから証人尋問は不要」という一律の説明は避けます。証人保護の措置と防御の機会の関係も、適用条文に即して考えます。
答案での使い方
証拠能力と証明力を区別し、どの質問でどの供述の弱点を確認するのかを記載します。抽象的に信用性が低いというだけでなく、認識条件と供述内容を結び付けます。
確認問題
解答・解説:いいえ。供述の知覚・記憶・表現や利害関係を検証し、裁判所が正確に評価するための機会です。