制度の役割と対象
差押状・捜索状は、処分を受ける者に示すことが原則です。刑事訴訟法110条は、令状による処分の根拠と範囲を本人が確かめるための手続を定めています。捜査機関の令状執行では222条の準用関係も確認します。令状が有効であることと、適法な方法で執行されたことは別の問題です。
判断の手順
- どの令状に基づく捜索・差押えかを特定する。
- 処分を受ける者と呈示の機会を確認する。
- 110条の原則と222条による捜査段階への準用を読む。
- 現場で行われた行為と呈示の順序・必要性を具体的に評価する。
独自設例
【学習用設例】警察官が事務所の捜索差押許可状を得て来訪しました。Aは、警察官が警察手帳だけを見せ、令状の内容を全く示さないまま机の捜索を始めたと主張しています。
当てはめと結論
警察官であることを示すことと、令状を呈示することは異なります。まず呈示の相手や時点を確認します。ただし、現場への立入りや保全措置等との前後関係を含む具体的な適法性は、必要な事実と判例を踏まえて検討します。令状が実在したという一点で執行方法の問題を省略せず、違法がある場合の証拠排除もさらに別の判断として扱います。
混同しやすい点と限界
呈示の問題と、令状に記載された場所・物の範囲を超えた問題は区別します。捜査機関が令状の写しを持つこと、本人が写しの交付を求めることも、呈示義務と同じ問いではありません。
答案での使い方
条文上の原則、準用、現場の具体的な行為を示します。違法という結論だけで証拠能力まで自動的に否定しないことも重要です。
確認問題
解答・解説:同じではありません。身分確認と令状の根拠・範囲の呈示を分け、110条等に照らして判断します。