制度の役割と対象
公判前整理手続は、充実した公判審理を計画的かつ迅速に行うため、第一回公判期日前に争点と証拠を整理する制度です。刑事訴訟法316条の2以下を読み、主張の明示、証拠開示、証拠調べ請求、審理予定を関連付けます。整理段階で有罪判決を先に出す制度ではありません。
判断の手順
- 第一回公判期日前の付手続決定と、その目的を確認する。
- 検察官・弁護側それぞれの主張と証明対象を整理する。
- 証拠開示と証拠調べ請求を手続の流れに位置付ける。
- 終了後の証拠調べ請求制限と例外を316条の32で確認する。
独自設例
【学習用設例】争点が犯人性に絞られた事件で、公判前整理手続の終了後、弁護側が新しいアリバイ資料の証拠調べを請求しようとしています。
当てはめと結論
整理手続の終了後は、いつでも自由に請求を追加できるわけではありません。316条の32は、やむを得ない事由で整理手続において請求できなかった証拠を例外とします。資料を知った時期、取得の経緯、従前の準備状況を確かめる必要があります。同条2項の裁判所の職権による証拠調べも別に確認し、単なる期限管理だけで防御の問題を終えないようにします。
混同しやすい点と限界
証拠開示と証拠採用は別です。相手方へ開示された資料が当然に有罪認定の証拠となるわけではなく、証拠能力や公判での取調べの問題が残ります。
答案での使い方
主張、開示、請求、採否、取調べを区別して時系列に置きます。終了後の請求を論じる場合には、例外の具体的事情まで示します。
確認問題
解答・解説:いいえ。316条の32のやむを得ない事由による例外と職権による取調べを確認します。無条件の追加とも全面禁止とも異なります。