公判前整理手続における証拠開示を、検察官請求証拠、類型証拠、主張関連証拠に分けます。一覧表の交付と証拠そのものの開示も区別して学びます。
どの手続と開示類型の話かを特定する
公判前整理手続は、争点と証拠を整理し公判を計画的に進めるための手続です。その証拠開示について、316条の14は検察官が取調べを請求した証拠の開示を定めます。検察官が保管する証拠の一覧表の交付は、同条所定の開示後に被告人又は弁護人が請求した場合の制度です。一覧に載った物の全てが、直ちに無条件で開示されるとは限りません。
類型証拠と主張関連証拠の条件を分ける
316条の15では、特定の検察官請求証拠の証明力を判断するために重要な類型証拠等について、開示の請求をし、必要性と弊害を含む相当性を検討します。316条の20では、被告人側が明らかにした主張との関連性を手がかりに開示を求めます。単に「有利な証拠を全部見たい」と書くのではなく、証拠の特定、どの主張・証拠との関係で必要なのかを具体化します。
開示と証拠能力・証明力を区別する
開示を受けた資料を、公判で当然に証拠として使えるわけではありません。取調べの請求、伝聞法則などの証拠能力、取り調べた後の証明力は別に確認します。開示義務をめぐる争いについては316条の26の裁定を検討します。時期・方法の指定や条件を付す場面もあり、相手方の意見聴取を含む手続を読んで判断します。
区別して整理する
| 類型 | 検討の軸 |
|---|---|
| 検察官請求証拠 | 取調べを請求した証拠の開示 |
| 類型証拠等 | 特定の請求証拠の証明力を評価する必要 |
| 主張関連証拠 | 被告人側の主張との関連と必要性 |
学習用の設例
学習用設例:検察官は目撃者Bを証人請求しました。被告人側は、Bの記憶の変化を確認するため以前の供述録取書の開示を求めています。
まず証人請求に伴い316条の14で開示される範囲を確認します。追加の供述録取書については316条の15の類型に該当するか、Bの公判供述の証明力を判断するための重要性と必要性、開示の弊害を検討します。入手できれば内容が正しいとするのではなく、矛盾の意味を証拠評価の段階で考えます。
確認問題
解答・解説:いいえ。一覧表の交付と個々の証拠の開示は別です。該当する開示類型と条件を確認します。
答案に使う順序
- どの手続と開示類型の話かを特定する
- 類型証拠と主張関連証拠の条件を分ける
- 一覧表と証拠の開示を分ける
- 開示を証拠能力の肯定と混同しない
よくある質問
学習時に混同しやすい点は何ですか。
一覧表と証拠の開示を分ける。開示を証拠能力の肯定と混同しない。