Case Brief
薬事法距離制限事件|職業選択の自由と参入規制の必要性
薬局の開設等について地域的な配置制限を設けた旧薬事法の規定を違憲とした判決です。健康保護という目的と、距離制限という手段の関係に注目します。
更新日: 2026年10月23日
裁判所
最高裁判所大法廷
判決日
1975-04-30
引用
民集 第29巻4号572頁
判旨・学習上の位置づけ
事案:薬局開設等の許可制度の下で、地域的な配置基準を理由とする不許可処分が争われました。既存の薬局との距離によって新たな参入を妨げる規制が、国民の生命・健康の保護に必要かという事案です。 争点:当時の薬事法6条2項・4項等による地域的制限が、憲法22条1項の職業選択の自由に適合するかが問題となりました。立法目的の重要性と、そのための手段の必要性を分けて判断する必要がありました。 判断:最高裁は、職業規制の目的・必要性・内容、制限される自由の性質や程度等を踏まえて審査しました。過当競争から不良医薬品の供給へ至るという説明等を検討し、より緩やかな規制では目的を達せないという合理性を認めず、問題の地域的制限を違憲としました。生命・健康を守る目的があることだけでは、強い参入制限を正当化できないという点が学習の中心です。
射程
いわゆる消極目的・積極目的の区別は、検討を整理する手掛かりです。消極目的なら常に違憲、積極目的なら審査しないという公式に置き換えることはできません。規制の具体的な強さと代替手段を確認します。 対象は判決当時の薬事法上の地域的制限です。現在の薬局開設に関するあらゆる規制が無効という意味ではありません。規定の変更と、判決が問題にした仕組みを区別して読みます。
根拠条文・参考資料
資料の確認日:2026年10月23日