何が起きたか
宅配便で運送中の荷物について、捜査機関が荷送人や荷受人の承諾を得ず、外部からエックス線を照射して内容物の射影を観察しました。検証許可状はありませんでした。
- 内容物の射影を機器で観察したこと
- 荷送人・荷受人の承諾と検証許可状がないこと
何が問題になったか
検証許可状はありませんでした。
裁判所の判断と理由
内容物の射影を観察する本件検査は、検証の性質を持つ強制処分であり、検証許可状なしで行うことは違法とされました。
物理的に開封したかだけではなく、本人が他人に見られたくない荷物の内部へ捜査が及ぶ点が重要です。外から機器を使う手法も権利侵害の実質で評価します。
判決本文・裁判要旨で確かめる
裁判例詳細の事件番号・裁判年月日と本文PDFを照合できます。公表要旨は裁判所による要約です。本文では多数意見の理由と、補足意見・反対意見がある場合の記載を区別して読みます。
この判例が当てはまる範囲
外観の観察すべてが強制処分という判決ではありません。また、捜査の違法性と、そこから得られた証拠の証拠能力は別に検討します。
事実を変えて考える
以下は理解を確かめるための設例です。実際の事件の事実ではありません。
荷物の外装に公開されている文字を目視しただけの場合も、内部の射影を得る検査と同じですか。
観察対象と侵害の内容が違います。内部の情報を取得する本件の手法と、外観の目視を区別して判断します。
答案・学習での使い方
検討の出発点は「内容物の射影を機器で観察したこと」です。次に「荷送人・荷受人の承諾と検証許可状がないこと」を、判断の要件や理由と結び付けます。事件名や結論を挙げるだけで終えず、設例のどの事実が同じで、どこが異なるかを説明しましょう。