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Case Brief

アパマンショップ事件|株式買取価格と取締役の経営判断

事業再編に向けた非上場株式の買取価格について、取締役の善管注意義務違反を否定した判決です。評価額との差だけでなく、事業目的、価格の幅、検討手続を読みます。

更新日: 2026年10月23日

裁判所

最高裁判所第一小法廷

判決日

2010-07-15

引用

集民 第234号225頁

判旨・学習上の位置づけ

事案:会社が事業再編の一環として別会社を完全子会社化するため、任意の合意で株式を買い取りました。株式交換に備えた算定評価額より高い価格で買い取る決定について、取締役の責任が株主代表訴訟で争われました。 争点:算定評価額が1株当たり6,561円から1万9,090円であった一方、設立時の払込金額を基準とする5万円で買い取る決定が、取締役の善管注意義務に違反するかが問題となりました。 判断:最高裁は、事業上重要なフランチャイズ加盟店等が株主に含まれること、非上場株式の評価に幅があり再編による企業価値増加も期待できること、経営会議での検討や弁護士への意見聴取等を考慮しました。その事情の下では買取価格の決定に善管注意義務違反はないとし、原判決を破棄して自判しました。単一の算定価格との比較だけで、事業判断を違法としなかった点が重要です。

射程

高い価格で買えばいつでも責任を免れるという判決ではありません。事業目的、判断当時の情報、評価方法、検討手続、利害関係を具体的に確認し、決定過程と内容を整理します。 将来の利益を見込む判断には不確実性がありますが、情報収集の欠如や利益相反、法令違反まで一律に正当化されるわけではありません。経営判断原則という用語だけで免責を結論付けず、本件で重視された事実を示します。

根拠条文・参考資料

資料の確認日:2026年10月23日