論点解説
通常共同訴訟と必要的共同訴訟の違い|自白・判決・手続の効力
当事者が複数いても、全員に同じ結論が必要とは限りません。38条・39条・40条を起点に、一人の自白、相手方の行為、中断・中止と補助参加を比較します。
共同訴訟ができることと、全員について判断をそろえなければならないことは別です。同じ手続に複数人が並んでいるという外形だけで必要的共同訴訟と判断せず、訴訟の目的を合一に確定すべきかを検討します。
違いを比較する
確認する点 | 通常共同訴訟 | 必要的共同訴訟 |
|---|---|---|
基本となる規律 | 39条の共同訴訟人独立の原則 | 40条の合一確定のための特則 |
一人の訴訟行為 | 原則として他の共同訴訟人に影響しない | 全員の利益においてのみ効力を生ずる |
相手方が一人に対してした訴訟行為 | 独立の原則を出発点に検討 | 全員に対して効力を生ずる |
一人についての中断・中止 | 各人の手続との関係を検討 | 全員について効力を生ずる |
共同で審理できる条件と合一確定を分ける
38条は権利義務の共通や同一の事実上・法律上の原因等による共同訴訟を認めます。しかし、共同で審理できる請求がすべて40条の対象になるわけではありません。必要的共同訴訟には、全員が当事者となる必要もある固有必要的共同訴訟と、共同して訴える場合に合一確定が必要となる類似必要的共同訴訟という整理があります。
自白と証拠評価を混ぜない
通常共同訴訟では、Bの自白が、否認するC自身の自白として当然に拘束力を持つわけではありません。必要的共同訴訟でも、一人の不利益な自白を、争う全員にそのまま及ぼすことは40条1項と整合しません。ある陳述が証拠評価の資料になるかという問題と、訴訟行為として他の者を拘束するかを区別します。
事例で区別する
AがB・Cへそれぞれ別個の金銭債権を請求し、通常共同訴訟として審理されています。Bだけが契約成立を自白し、Cは否認しました。Bの自白だけでCにも同じ自白の拘束が当然に生じるわけではありません。
条件が変わったら
訴訟の目的を全員について合一にのみ確定すべき必要的共同訴訟なら、40条の特則に従います。また、第三者DがBを補助する通常の補助参加は、D自身が共同訴訟人となることとは異なり、Bの行為と抵触するDの行為には45条2項の制限があります。
混同しやすい点
人数だけで必要的共同訴訟と決めない。
共同訴訟人の行為と、相手方がした行為の効力を分ける。
通常の補助参加と、共同訴訟的な参加の問題を混ぜない。
確認3問
問1 38条により共同訴訟ができれば、すべて40条の対象ですか。
問2 通常共同訴訟の一人の自白は、否認する他の者にも当然に及びますか。
問3 必要的共同訴訟で一人に中断原因が生じた場合はどうなりますか。
解答と理由
問1の解答
いいえ。合一確定の必要性は別に判断します。
問2の解答
及びません。39条の独立の原則を確認します。
問3の解答
40条3項により、中断又は中止は全員について効力を生じます。
法令確認日:2026年10月27日。事例と確認問題は学習用に作成したものです。具体的な事件では適用時点や経過措置も確認してください。